第109話 ドラマ制作決定
夜、家にいたらスマホが鳴った。
なんだ、誰だろう…ウオッ、
田島オネェ様じゃねーかっ!
慌てて電話に出る。
「こんば「決まったわよ!
ドラマ化決定!」
俺の挨拶に被せて来る程早く知らせたかったのだろう、ドラマ名は
『星空の
で、来年の春に放送予定で既にキャストも決まっているそうだ。
俺の役はブサメンではなく、やはりイケメンに決まったらしいが俺は芸能人に疎いから知らん。
有希の役は当初の予想通り、高坂真由になったらしい。
彼女は相当な人気らしいと聞いているから、彼女を起用すれば間違い無いのだろう。
それに俺が歌を歌うのも確定したそうで、曲も既に発注しているみたい。
俺の様なド素人の曲を使って大丈夫かとは思うが、オープニングの曲は誰もが知るビッグアーティストなので、エンディングが新人でも話題性には全く問題無いらしい。
これから脚本の内容等を細かく打ち合わせしたいから大至急会いたいとの事。
撮影は俺達が出逢った大涌谷の冬の夜空を使いたいので、2月くらいから始めたいとの事だ。
まだ有希には連絡していないそうなので、俺はオネェ様に、有希は受験生だからどうしても本人に聞かないといけない事以外は俺に連絡をしてくれ、とお願いした。
オネェ様に俺の仕事の周期、日勤の夜、非番の夜、休みの日で携帯電話に出れる間ならいつでも連絡してくれて構わない、と伝えた。
後刻、シナリオライターの前田さんから電話が来る事になっている。
俺は有希にSNSでトークを送信した。
遠『有希、来春ドラマ化決定したってオネェ様から連絡来た。
有希役は高坂真由さんだって。
有希は受験生だからどうしても本人じゃないとダメな時以外は連絡しないで、って伝えてあるから。
楽しみだね。
そういえば日傘の件は高坂さんには連絡したの?』
有『えー、そうなんだ!
凄いね、楽しみ!
日傘はねー、真由ちゃんに連絡したら実家が近いから、よかったら持って行ってくれる?って頼まれて。
実家の住所教えてもらって調べたら、自転車で15分くらいだったから届けに行って来た。
真由ちゃんのお母さんに渡して来たよ、本当に近かった!』
遠『そうなんだ、高坂さんはドラマの話はしてなかったの?』
有『うん、日傘買ってすぐの頃だったけど何も言ってなかったよ、お兄ちゃんに伝えるの忘れてた、ゴメンね』
有 カワイイネコちゃんが謝っているスタンプ
遠『あー、そういえば俺達のエキストラ回放送してたな、有希顔が判るくらい映ってたけど学校から何か言われたりした?』
有『学校からは大丈夫だったけど、ひかりちゃんにはバレてたw』
遠『あー、アイツなら永久保存版やー!とか言ってたんじゃないの?』
有『えー、お兄ちゃん何で解ったの?エスパー!?』
遠『……色々言いたいけど、まぁいいや。
1つ質問なんだけど、もし有希が芸能界で働きませんか?って誘いがあったらどうする?
例えばモデルさんとか女優さんとかタレントさんとか。
やりたいか、やりたくないか。』
有『うーん、取り敢えず大学に合格してから考えたいかな、でも今のところ興味は無い。
別に有名になりたいとか思わないし。』
遠『そうだよね、うん、解った。』
有『そういえばお兄ちゃん、歌はどうなったの?』
遠『あぁ、歌う事になったから、色々と判り次第教えるよ。』
有『ドラマも楽しみだけど、それが1番楽しみかも。』
遠『だなー、一生に一度しか無いと思うから楽しんでやるよ。』
有『そうだね、頑張ってね。』
俺は次に高坂真由に連絡を取った。
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