第52話 俺のせいじゃねーよ!(心霊体験③)
最近運動不足かなと思い、自転車で警察署に行ってみる事にした。
俺は一応クロスバイクを持っているので、朝早くからジャージに着替えてリュックを背負い、自宅を出発した。
パット入りのスパッツを穿く程本格的に自転車に乗ってないので、ケツが痛え。
ブヨブヨするジェルが詰めてあるサドルカバーを買って取り付けてはあるが、ほぼ意味は無い。
痛えし疲れるし…だが諦める訳にはいかない、出勤前なのだから、諦めた時点で遅刻間違いなしだ。
約2時間後、職場に着いた。
今日は夕方までの勤務だったが、万引きGメンが交代間際に万引き犯人を捕まえて来たため居残りで書類を作成する事になり、数時間残業したら勤務終了時間が夜の10時になってしまった。
今日は自転車で帰るから、家に着くのは夜中の0時か…。
署を出発して30分程したとある交差点で、俺は左足で縁石を踏みながら信号待ちをしていた。
暫くすると信号が青に変わったため、縁石を左足で蹴って勢いをつけようと軽く力を入れたところ、左足の裏が急にヌルっと滑った。
俺はスッ転びそうになったが、何とか体勢を立て直し足を置いていた縁石を確認したところ、滑る様なモノは存在しなかった。
俺は不審に思い、更に周辺を確認したところ、俺が足を滑らせた数メートル先に献花と立て看板があった。
【死亡事故現場 歩行者注意!】
えぇーっ…何で?
何で滑った?血か?
俺を事故に巻き込もうとしたのか?
止めてくれーっ!(汗)
更にまた別の日、パトカーの応援勤務の時に夜勤だったのだが、人身事故扱いのため少ししか仮眠の時間が無かったので、署の中庭のパトカー内でシートを倒して目を瞑っていたところ、ドアや窓が全て閉まっているにもかかわらず、運転席に座っていた俺の右肩を誰かが掴み、シートに激しく打ちつけて来た。
…ウッソーん、マジか…
相方は書類整理でいないから、パトカー内には俺独りだぞ…
寝落ちしてカクカクしたとか程度の衝撃じゃねーぞ…
と周囲を見回したところ、俺が寝てた場所は霊安室のドアの真ん前だった…(汗)
最近、霊の姿は見えないが、こういう事がチョコチョコあって怖い、佐藤係長と会ってからだ。
強い霊感を持つ人の近くにいると心霊体験が多くなるって言うし、ちょっと係長に相談しよう。
俺は佐藤係長を見つけ、
「係長、最近心霊体験が多いんですが…」
と内容を説明しようとしたが、その前に俺の心を読んだのか、
「俺のせいじゃねーよ!」
と前置きがあった後、対策方法を教えてくれた。
お寺等で祈祷してある数珠を持てばいいとの事だったので、早速日野にある高幡不動尊に数珠のブレスレットを入手しに行って来た。
直ぐに装着。
…ふむ…どうなんだろう…
判らん。
暫く様子を見よう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます