第6話 手紙

 ……どうしてこうなった……


 1ヶ月後の金曜日の夜、また俺は箱根に車を走らせていた。

 非番で何とか仮眠は取ったがいつもの深夜ではなく、ちょっと遅いが世間一般的に夕飯を食べる時間だ。

 

 何だかなぁ…ウチに手紙が来た。

 

 白い封筒だが女性が好んで使う様な感じのヤツだ。

 …俺にこんなのくれる相手なんていないけど…新手の詐欺か何かかな…まさか俺が警察官と知ってて送り付けて来てる訳ではあるまい、うーん、どうしてくれよう。

 差出人は…知らん。

 

 あ…箱根町仙石原…だ…と…

 

 可能性は1つしかない。

 住所の番地部分は隠したが多分覚えてたんだろう、覚え易い数字だからなぁ…。

 

あの子の名前は、片山有希かたやまゆうきというらしい。


なになに、


 『先日は大変お世話になり、本当にありがとうございました。

 祖母に全てを話したら、祖母が相談に乗ってくれた方にお礼を申し上げたいのと、その件について相談に乗っていただけないか、という事でしたので、よろしければ我が家に来ていただけませんでしょうか、よろしくお願いします。』

 

 という内容と共に、SNSのIDが書いてあった。


 むむむ…確かにあの後イジメがどうなってるのか気にはなるが、お婆さんに呼ばれるとかイヤな予感しかしない…


 とりあえず断る方針で…


 SNSにIDを入れ、トークを送信する。


 遠『こんばんわ。お断りします。』


 有『イキナリですか!?』


 有『こんばんわ、お婆ちゃんが、どうしてもって…

 ご飯作って待ってますから…

 お願いします!』

 

 有 かわいいお願いポーズのネコちゃんのスタンプ。

 

 遠『よし、今から行こう。』


 有『今から!?』



 女の子の手料理なんて今後食べられるかわからんし、何より家庭料理なんて久しぶりだ。


 とりあえずお断りの方針で1度だけ会いに行こう。

 そうすればお婆さんも納得してくれるだろう。


 そして箱根に行く日時を決めて、当日封筒に書いてある住所に向かうのであった。

 

 




ーーーーーーーーーーーーーー


 ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございます。

 まだまだ続きます、もしよろしければモチベーション維持のため、お星様や感想をいただけると嬉しいです。

 よろしくお願い申し上げます。

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