第Ⅵ章SPANKINGBANG-空白の1000年-胎動覚醒-

ルヴィア・ヴェスタニエの話は以上だ。

話を聞いたペルセウスはお茶を呑みながら机に重ね重ねに積もれた資料をファイルから取り出してイシュガルド・フォン・ジュリア・ヴェスタニエという人物のプロファイルをした手配書など手に取ってルヴィアに見せた。

「実に有益だった。イシュガルド卿の生死に関して1000年以上前から空白でエスタンスの祖であるヴァンダム・ヴィンセント・フィオリアテッド・エスタンスが調査をしているが本案件はもう時効が過ぎた」

「絶剣の使い手であったイシュガルドはエルセリウス・ネルセリウス2つの世界から消えた。ジェラフバルトとしては脅威に感じつつもあるが、ルヴィア?新しい任務を課す」

「イシュガルドを探索、天星剣と天命剣を見つかれば回収を命じる。剣の打ち直しは鍛冶職人であるモンド・ボドカに任せるといい」

「ん?ダルマイズゴッドの倅か?あのガキ鍛冶職人と成長したのか。絶剣は無窮を穿つ神速抜刀術の参拾六剣戟の為せる神の剣術だ。イイぜ」

 ルヴィア・ヴェスタニエに命じられた新たなる任務は禁測地イシュガルドの探索。エルセリウス・ネルセリウス両世界でもその場所の探索は千年前から行われてもない。ペルセウスが指名した世界腕利きの職人モンド・ボドカの身に脅威が迫っていた。極東の島国ジパングを治めているジークフリート家の嫡男リヴェル・ジークフリートからⅥ代目である咳雲刻斎(ガロン・ド・モンド・メルール・ジークフリート)が江戸城での統治の頃、ジェラフバルトの魔の手が忍び込んでいた。

―――――――極東―――――――

ルヴィアはジパングに流れ着いていた。世界の管理者の激しい逆流の渦潮と暖水渦によって海流が激しい場所であるが故に一旦はジパングからの方が早い。

イシュガルド・フォン・ジュリア・ヴェスタニエの妹であるルヴィア・ヴェスタニエがヴェスタニエ姓の宗家にしてこの世界でただ一つの”絶剣”を継いでいる人物である。

ジパング国は出雲国と大和国で調和と争いが交互に100年づつ戦乱が続いていた。世はまさに大戦国百花繚乱時代にルヴィアも来たタイミングが悪かった。

「た、たたたた・・・・助けてッ!」

真月絶剣ルナーテリオン・アグラヴェルム・イシュガルド無窮参拾六釼式オーバー・イシュガルド・アガートラーム・ルミナステリオンAF《けつあな確定》どりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 神速の足さばきに36の剣戟の衝撃波が敵を吹き飛ばし、手に持っていたのは檜の枝だったが一応剣に認識は出来た。「助けて」と叫んだジパング国の少女をルヴィアが手を差し出して右腕をアガートラームに変えて120000倍に巨人化した一撃を追手に「巨人狩り《ジャイアント・キリング》坂本勇人アナルファッカーズ・オブジェクトサーバー・ペルセルス」地面が衝撃波を繰り出して追手を埋めて少女を連れて洞穴に逃げ込んだ。

「ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァゴホッゴホッ、ゴホッゴホッハァ・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァッ」

「助けてくれてありがとう、お姉ちゃんはここの人?」

「いや違うッ、舟を出してほしい。」

「今、この国は大変危機です!?お殿様も・・・・将軍様が!?」

「え?将軍?将軍?なんぞ?ダルマイズゴッドの倅が将軍に就任したのか?」

「・・・・・・・」

 黙っているのか何だろうか。ルヴィアはイシュガルドの実の妹。ダルマイズゴッドが崩御後に息子と娘夫婦の婿の子供がジパングを統治しているのは間違いない。

「国が傾くドス」

「ん?国が傾く?」

「将軍様が御隠れになられたドス」

「ショーグン・・・・・そういやジパングに来たのは初だったか。悪い悪い」

「悪い術師がショーグンを御隠れになったドス、みんな信じてくれないドス」

「・・・・・・待っていな」

 ルヴィアは埃を払い泣いてる少女に寄り道であるがショーグンを助けるつもりでこのジパング国のとある港の宿屋に陣を構える。

「名は?」

「名はドスえ?名はあかりドス」

「あかり、ようわかった。しかしジパング国って矢のような島だな」

「初代将軍様はここを建国した冒険譚は神話ドシ」

 ルヴィア・ヴェスタニエも蒼天八極神以降はどの国も寄らなかった。世界の管理者の一件秘匿の案件が多かった。

「ん?」

 電話が鳴る。たいていの宿場や宿舎には電話が置かれて電話が鳴る。

≪もしもし?ルヴィアかい?イシュガルドの座標を送っておくよ≫

≪ペルセウスか?驚かすな、今はジパングに流れ着いた。っていやっ違うなっ、ジパングの海流に乗っちまった。んでぇ、んなぁー、ジパングでジェラフバルトが攻めてくるって聞いた。それを片付けるわ≫

≪単独行動は止せよ。ヴェスタニエの者はしょっちゅう世界の威信を命令に規約違反ばかりだ。ルール違反だけど、それwwwwそれこそヴェスタニエである人間だ。OKサインを出すよ≫

≪イシュガルドなら任せろ。ペルセウス?いっちょ行ってくるわ≫

 電話の相手は世界の管理者の社長ペルセウス・フォン・フリーレン・エスタンスだ。ルヴィアは準備を整えてまずは自分の場所を知るのに宿場の地図を見た。

「ここは伊勢国御簾村ドシ、シシシシシ」

「そうかい、御簾村・・・・将軍の江戸までは距離があるな」

「今、ジパング国は大和王朝主体とする大和国派と出雲を祖とする出雲国の2国がジパングの覇を競う国内同士で二分化してるんドス、うぇーん」

 あかりが泣いている。ましてや子供が泣いてるのを黙ってみる振りには出来ない。

「将軍の後継者は?」

「ドドドソシエ、今の将軍様は家虎様です!」

「家虎?いたっけ?ダルマイズゴッドとえなこの間に36人も子供を産んだ間、ん?あかり?嘘をついたな・・・・本当のことを言え」

「・・・・・・申し訳ないどす、江戸を治めているのはダルマイズゴッドの長男正統の血筋でジークフリート家第6代目当主ジパング様です」

「だろうなぁ、ジパングは35人の姉弟兄弟姉妹がいる。だとするとな」

 ルヴィアはジパング国での一件を後述していた。

「ジパングを一度リセットさせたのは申し訳ない」

 イシュガルドに続く道はジパングから暖水渦を超えて海流に乗ってパンゲアに行く必要がある。ジパング国での件をルヴィアは担う事となる。

「ダルマイズゴッドの子供が36人、大和国の王朝宮中派に15人と出雲国の秦大和国派に15人だっけ?現状の様子はよぉ」

「今、この国はジェラフバルトと言う呪術師が国を襲ってくるドスエ」

「アンネローゼは?ダルマイズゴッドの将軍の姉は?あのイキリキッズは自分語りを自己主張しない盲目のキッズだからよぉ、自国はどうなの?」

「伊勢にいます」

 今、ここが伊勢国だったか。ルヴィアが唯一面識あったのはジパング国第3代将軍職を大和王朝の為に解放の戦士として戦ったアンネローゼ・フォン・ジパング・ジークフリートである。

「将軍は今、大阪城で出雲派と攻防中ドスゥ」

「ジパングも大変だな、アンネローゼのババアはイシュガルド時代にあいつからの腕を盗み第一次遠征テゥエルターナー戦争で勝利をもたらした人物だ。まぁ、リヴェルが糸を引いていたんだけどなぁ。リヴェルはビッガストドリーマーで精神が病んでメンヘラになっちまったのが気が病む」

 ルヴィアは剣を腰に差してあかりを宿場に残して隠居先の囲炉裏に向かう。アンネローゼ・フォン・ジパング・ジークフリートが将軍を隠居後に初代ジパング国の将軍でありジパング・ジークフリートであるリヴェル・ジークフリートは神宮の脇道に館を構えてそこで隠居を送っていた。

「ジパング・ジークフリートはクレア産駒の子だ。クレア血流者であり、イエス・キリストの子供たちだ。それは間違いない。ガンダルディキアの連中は頭が~空っぽのCHA-LA-HEA-CHA-LAの枢機卿に教皇が多いからな」

「騒がしいなぁ」

 ――――――宇治橋・神宮――――――

囲炉裏から出てきたのは特殊加工で身体にフィットしやすい高機動型のスーツを着た長髪の女性が刀を腰に差して出てきた。

「アンネローゼ?あのリヴェルの孫だよ、やぁ」

「ん?イシュガルドの妹かい、何の用でここに来た?ジェラフバルトの密偵ならここで首を刎ねるぞ」

「ちげぇー、イシュガルドの探索で寄っただけだ。相変わらず鬼神リヴェルに瓜二つの顔つきにおっぱいしてるなぁ!?ぺぇもんがでけぇよなっ!?」

「祖母に似ているのはかれこれ将軍職に就いて以来だ。私は隠居の身だ。ルヴィア」

「ぺぇもんがデカイのは遺伝だよなぁ!?ノエル・ハースティア・ベルモゼル・ド・ヴェスタニエの異父母の子だよなぁ!?ノエルのマンゴは中が締め付けの圧迫でチンコをぎゅっと押さえつけるのが気持ちいんだよなぁ!?」

「・・・・・・・・ヤレヤレ、ジパングによったのも縁だ。私の剣はイシュガルドを継いでの先々代の将軍リヴェル・ジークフリートが和式に改良した天下無窮の抜刀活人術だぞぉ、ルヴィア」

「いいね正解大卒」

 まずは館近くの囲炉裏に連れられて五十鈴川で釣れた魚の塩焼きと祈祷や陰陽道のツテで参拝客の祈願を無料で布施をしている。

神宮の囲炉裏に入って将軍を隠居して500年が経ちダルマイズゴッドの祖母でもあるアンネローゼ・フォン・ジパング・ジークフリートは刀を床に置いて白装束に着替えてルヴィアは胸を観ていた。

「ババアのくせして、ぺぇもんがデケェんだよなぁっ!?」

 アンネローゼ・フォン・ジパング・ジークフリートとイシュガルドとの間柄は陽が沈む矢のような島に第三の太陽が昇る東にかつてのアンネローゼはイシュガルドから剣を教わった。イシュガルドの生死不明は不本意だが、アンネローゼにとっては少なくともショックを包み隠せない。

「ルヴィア?剣聖イシュガルドの妹よ、私はまだ若い。こんな身なりで言うのはアレだが、私も実はこの巨乳がコンプレックスなのだよ」

「ジパングに寄ったんだ。少しは内乱を制圧してもらいたい」

 囲炉裏から小筒を出す。気が付くとあかりがいない。ルヴィアの傍に置かれていたのは式神の型用紙だ。ルヴィアが紙を手に取ってアンネローゼに聴いた。

「これお前か?確かテゥエルターナー戦争ではお前の陰陽道が役に立った。して?大和王国と出雲王国って本当か?」

「そうだ、そうだ、全部正解で言いようがない。言い訳もできない。」

 囲炉裏の火が焚く音がASMRで心地よい。アンネローゼの血筋はダルマイズゴッドの祖母でガロン・ド・モンド・メルール・ジークフリートの代までは続いている。

「ガロンは私にとってもいい後継者で可愛い。ショタで萌てきているんだが、ガロンはダルマイズゴッドの嫡男でまだ20歳と若い。先のジパング・ジークフリートが御隠れになった、要は死んで崩御してあの子が継いだ。私は将軍職を辞したが、ルヴィア?旧知の間柄だ。ここは頼む」

 頭を床まで土下座までをみたルヴィアは即答した。

「わかったよ。手を貸す。代わりにイシュガルドの座標を教えて欲しい」

「イシュガルドは1000年前を境に生死不明とあるが?まさかこのジパングに?」

「隠すつもりはない。イシュガルドは今もなおジェラフバルトを討つためにそれだけだ、いや・・・V65X433B0009Y765に行け。もうそれが本当だ、ルヴィアよ」

「座標!?」

 ルヴィアは端末にデータを入力するとイシュガルド・フォン・ジュリア・ヴェスタニエの名前が浮かび上がった。生存している証明と座標だ。

「アンネローゼ、正直助かった。では、内乱制圧に行こう」

 囲炉裏から出てアンネローゼと別れた。ここはジパング国の伊勢国。

ルヴィア・ヴェスタニエは・・・・・・

―――――――一方・とあるV地点―――――――

海流が激しく冬の気圧が高く氷河が沈み氷に覆われて風の気圧と凪の帯状にジパングから離れた踏破が出来ない未踏破の寺院にとある人物が杖をついて機械鎧の音をギシギシたてながら椅子に腰を掛けた。

≪やぁ、主よ、気分は勝れない様だね?流石に時は早い≫

「フッ、俺は耄碌のジジィだ。死んだことにしといてくれ」

≪冥王の帰還は?流石見過ごすことは看過出来ない所業だね。剣聖イシュガルドよ、1000年が経過後に世界各地で異変と異常が見られる≫

「36発の光の束はそうしか見られぬ」

 寺院の火を焚きながらくらい地下水路の巨石に腰を掛けてイシュガルドは額に十字傷と右目を失明して身体半分も機械鎧のメンテナンスが必須だ。オイルを塗り点検しないと使えない。

「ジェラフバルトが帰ってきたか。この老いぼれもまだ生きる価値があるようじゃ」

 イシュガルドは決心して舟をこぎ出す。かつて1000年も前に空白となった超巨大国家群が存在し尚且つその統治者が生きていると世界が驚愕する。

≪剣聖イシュガルドは不死の御霊の英霊。あのジェラフバルト卿の実弟。明日が切り拓かれる時我が主を待つとき。私は嬉しい。再び戦う時が来るのだ≫

「あぁ、俺は生きている。聖剣のエッセンスには時間が必要だった。もう完了している。」

 こうしてルヴィアが知らないところでイシュガルドは動き出す。


 


 

 

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