テゥエルターナー戦争≪Ⅱ≫

 2度目の災厄に備える戦いの兆しが向いている。

 エンキは煙管を咥えながら、エイボンの暗号を解いていた。

 123211221226554553221198776233432216543543421198876543122909879755432123457756422451212345554312345676554322234455333412345432121167

 エイボンというがエメフィール・ド・エイボンのことだ。

 彼の暗号をエンキはパルンケの時間神殿に腰を下ろして解いていた。

「これ、これを、これを、コレコレを・・・・んなっ!?オイオイオイ、炭酸抜きコーラかよ、あいつ死んだわって言ってる場合じゃねぇよ」

 知恵者のエンキですらエイボンが用意した秘匿兵器の暗号は解けづらい。

「お困りのようですな、エンキ殿。」

「失敬、ティア様、どうですか?御棲みづらい環境でしょうな。密林に大海原はない。あるのは泉から沸く自然の水たまり場。水脈があるからここに文明が興る」

「それはそうでしょうな。暗号は解きました。エイボン卿の事です。数字を換算式にしてAからZの文字に当てはめる。兵器運用のご丁寧な・・・・フゥ」

 ≪寿命≫≪観測≫についての詳しい図と座標と設計図に概念兵器だ。

「有機生物にはミトコンドリアという細胞がある。生物には寿命というリミットがある。有毒性のガスに耐性を付けた人間という脆さ。この兵器は有機生物のリミットを解除し、射出させる赤き弾丸」

「ティアは水の番人ですが?ここにも水ですね。エンキ、アナらしくもないですね。知恵が働かないのですか?」

「ちったぁ、ティアよ、1分5500円でVと話す権利どうかと思うぜ?5500円で1分限定話すなんてガワを被った役者プリテンダーの30代のBBAだぜ、ネットキャバクラで高校生やガキ相手仕事疲れの社会で働き家族を養っているおっさん相手に1300BBA33980BBABBA55005500使120003000使使Vティア?俺は知恵者だ。お前の考えは?」

 煙管を咥えながら黒コートが風になびいて、長髪のエンキは蛇を肩に隠して剣を抜く。アヌンナキのヒトミの臣下であり、エンリル共に兄弟の神としてこのパルンケでティアに問いかけた。

「その質問に対してだが、エンキよ、実に知恵者お前らしい意見だ。私も賛同する。同意見として言うが、3度目の厄災の理リセットするのはどうだ?人類に救済を与えよ、チー牛やV豚に生きる権利を問えばよかろうに、お前の知恵はアヌンナキでもヒトミ様でも上回る。テゥエルターナー戦争終結後、戦後処理はどうするか決めてエンキとエンリルで決めればいい。うむ?私に何かあるか」

「ないっすよ、さすがは宙の巫女っすね。ティア様ぐらいっしょ、俺はこのコパンをあとにギョベクリ・テペに異動っすよ。ギョベクリ・テペにてシュメールの国と文明の基礎回路を展開する仕事っすね。俺に任されて、今はエイボンと話しを進ませてもらってる」

「・・・・・・・安心した、エンキよ、コパンに尽力したお前に感謝だ。ギョベクリ・テペに行ってもお前はお前を貫け。私は姉らと共にこの地球をプラットフォームとして成立させる」

 ティアは指輪を確認した。ティアは10の指輪をはめている。天の啓に従いティアはレムリアの遺産であり、ラ・ムーの子として指輪をグローブで隠している。

「指輪よ、地球が凍結するのはこれにて2度目となる。チー牛VSV豚の醜い戦争です、か。ヴァチャ豚に生きる意志はあるのか?人間とは千差万別の事よ、エンキのことだ。エンリルに相談してテゥエルターナー戦争後水の時代でリセットか」

「ティア姉!兵器の完成披露射出会だって。来て、来て、来てよ!エンキがどうやら間に合わせたらしい・・・エイボンがギリギリ粘ったけどね」

「ジュリア、今、行くわよ。さて、次はどうなる事やらね。本番の打つ手が間違わない限り世界は壊れはしない」

 ジュリアはヒトミ第一の子にしてヴェスタニエの始まり、ルヴィアの母親。

「原神がどうの事よ、兵器についてもだけどね」

「コパンに激震が来るわね」

「7大陸の巡回、お疲れ。クレア姉」

 クレアだ。エルセリウスの7大陸の巡回を終えたところ、世界の中心地に巨大な赤壁が聳え立つ。赤壁の向こう側の奥に”世界の管理者”が建っている。旧聖地ハイウィンドゥのガンダルディキアはダーヴァンヴェルグ領に遷る前まではここが中心地だ。

「モニカの軌道がピンに来た。迎撃に備えろ、と」

 クレアだ。クレアは時間の稼ぎ的に十分と捉え、兵器を神殿の四隅に配備。

祭壇に腰を下ろしてティアの子で後にダーヴァンヴェルグ派ジークフリート家の祖にしてザイの子孫であるがジパングだ。

「・・・・・・・・」

 ジパングはティアの子にして杖をついていた。神殿が欠き日食で暗闇から月が欠け始めた頃ジパングが深呼吸して刀と化す杖を握る。

「予想時間とみなす」

「皆の衆は迎撃に移れ!フェーズを変えろ、モーションもだ!モニカは星を喰らう宇宙の知性体だ。いいな、星自体を砕け」

「母上、よくご覧あそばせ、と。拙僧は出番とみなす」

 ジパングは刀を逆さの刃に持ち替える。モニカの軌道に月食の期間中。

「ルヴィアとヴァーミリオンが帰ってきた!戻ってきたぞ!戻ってきた!」

「おかえりー」

 シバルバーの最下層の最奥の地下世界の都市から帰還してきた。モニカの軌道を確認してヒトミの聖槍が牙をむく。

「龍に非ず、月は落ちる」

 ヒトミの聖槍は代々アヌンナキが継承する黄金と水晶製の槍。モニカが地球に降臨して資源を貪るのをヒトミは槍を突き刺した。

「ルヴィア、合図を放て!ヴァーミリオン、1度目の折人類に希望を持たせた。頼む」

「やっつけ、どーのことのう言うてる場合じゃねぇよな!?」

 ヴァーミリオンの神器は希望の道しるべを具現化した長剣を手にあらゆる魔法を跳ね返すカウンターの長剣。

「テゥエルターナーの始まりだ!?日和ってるんじゃねぇよな!?ルヴィア、銃だ」

「クレアヴァレットね」

 ≪寿命≫クレアヴァレット・・・・・あらゆる生命体における知性有機物の寿命を測定してその魔力を銃弾に込める。

その黒き銃身の紅き弾丸が全てを打ち砕く!

「説明って?ヴァーミリオン、ちょ、ちょ、ちょ・・・・」

「弾に限りがある。誓約的に言うと5それ以上は対象者死ぬ」

「5発!?」

「チャンスは5回だ。俺は前線に赴く」

 ヴァーミリオン・ヴァン・ウォーカーは神器開放する。

アヌンナキが認めた原神の加護を受けた土人間の神器は星で形成された長剣。

ヒトミとジュリア・クレア・ティアも時の神殿の屋上に来ていた。マヤのカレンダーの指針が動き出す時に聖槍のズシンと合図する。

「狙え、銃身を固定、アンカーバレットを標的に装填、3・・・・2・・・・1・・・・0」

 ロンゴミニアドの第四階梯の姿が紅き龍の咆哮とまばゆい光の束が燃え上がる青い焔が燃え上がってクレアヴァレットを担ぐのはルヴィアだ。

「ファンデッド・ド・ロコ・ソーラン!!!!銃口の確認はしておけ。マジでアトランティス製の兵器は俺でも知らぬが仏だ。エンキからは聞いてる。ファンデッド、野ウサギ長の威信に賭けて心臓を捧げよ!クレアヴァレットの最終調整に入る」

 ファンデッド・ド・ロコ・ソーラン!!!!野ウサギ長の巨人族とレプティリアンのハーフである彼はアトランティスの叡智7大兵器の調整と整備を担っている。

かつて、メンヘラ地雷系女子とのリスカOD疑惑の懸念を超えて、エンキとエンリルの協力の下で旧支配者の地上ではなく旧支配者の地下世界でのシバルバーで活動をしてヴァーミリオンとは旧知の間柄。ヤハウェの指揮の下、元は天使であり、1度目のテゥエルターナーの折にヴァーミリオン共に人類に勝利をもたらした。

―――KnghitsOfDarkness0-RISE-―――――

ファンデッド・ド・ロコ・ソーラン

鍛冶職人兼機械整備士

4mの巨体にしてイケメンの野ウサギ長。かつては天使であり、巨人族は人類に勝利をもたらしたテゥエルターナーの功労者。ヤハウェから地上に堕とされ、旧支配者から跋扈している地上の雄恐竜の雌のティラノザウルスが母親。

優れた知恵者と技巧のスキルに長けており、シバルバーの広大な世界で工房を展開してモニカ迎撃のための兵器の整備を担当している。

ヴァーミリオンとは顔なじみにして、巨人とレプティリアンの両方のスキルやアドバイスを担当している。

「クレアヴァレットの調整に入るぞ、さぁ!疑似憑依ポゼッショニング・ルシアミーゼ三毛猫みけねこのみーちゃん♡!頼むぞ!!!!俺の知恵を最大フルスロットルバキバキに同棲、毎晩巨根ゴム無し4凸9800円の全力全開ヒーロー勇気プレモルパワーミラクルで調整するッ!」

「さぁ、ヒトミ様、クレア様、ジュリア様、準備入るぞ」

 ヴァーミリオンが時の神殿に月食入った段階から迫りくるモニカの脅威。

ルヴィアはダーインスレイヴが傍に立っており、調整に入るクレアヴァレットと同町シンクロ率に達しないといけない。

「シンクロニティさせないとガチィ?」

≪バレットに撃たせる弾丸の軌道がほんの少しズレるだけでも勝ち目がない。俺の眼は誤魔化せはない。オアンネスから譲り受けた眼だ。ルヴィア?33歳BBAが不死鳥に?ノンノン、ただ単に歳がイカレて社会に出たくねぇ理由だろうに、俺を信じろ。モニカの軌道がこの神殿を通過するタイミングよ≫

 夜空の頭上にモニカが一瞬でこの星を喰らい尽くすインパクトが襲い掛かる。

エルセリウス・ネルセリウス創世の災厄の3度目ではないが、この1度目の星に備えて迎撃の折にルヴィアが放った弾丸がモニカを砕く。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ」

「―――――――――クレアヴァレル・最大領域展開開始・・・・エーテル体圧縮率1200%アンカーバレル装填、ん”ほ”ほ”ほ”お”お”お”お”お”お”お”ぉ”カウントセット5・・・4・・・3・・・・2・・1・・・0ッ!」

 放たれた真紅の弾丸が爆発音を広げ、モニカを撃ち落とす。開戦の合図となった。

テゥエルターナー戦争の合図として、かつての大陸では戦禍が拡がっている。

「ルヴィアよ、シュメールに向かってもらいたい」

「い、いいいい・・・いきなりステーキになんやねん!?」

「お前には御前向きの仕事がある。用たて話と見なす」

 ヒトミはルヴィアに神殿国家の展望台を視させて、次なる課題だ。

「ギョベクリ・テペに向かってもらいたい、旗揚げの時間だ。ルヴィア、お前はヴェスタニエの礎となる。祖はお前に通じる」

「ゲェ、マジで言うてるのですか?それマジっすか学園で冗談キツイっすよ」

「いや、いや、と・・・・ヴァーミリオンも同行だ。ネルゼト霊峰の道を通ればよかろうに」

「あ、あそこっすか」

 ヴァーミリオンは麓の野営地にテントを張ってあるが、ルヴィアは支度を済ませて一行が目指すのはギョペクリ・テペのアナトリア半島だ。

「よいか、先にエンリルが拠点を構えているが宙からの侵攻は未然に防げる。ネルセリウスの内殻にエルセリウスの外柄を覆っている。二重平衡多重量子空間次元上のこの地球はシュミレーションエミュレートされているなら、ヒトミ様が思い付くなら」

「私のクリエイティブなセンスがどうかした?クレアだろ、末娘がすべて一任を得ている。ネルセリウスとエルセリウスの創世事はクレアだ。主神にして唯一神こそ、クレアだ。ハッハハハハハハ」

 ヒトミは神殿の図を見ながら、次なる地はギョペクリ・テペ。

――――――ルヴィア・ヴェスタニエその最初の旦那がヴァーミリオン・ウォーカー

初代ヴェスタニエの娘にしてⅡ代目アレイン・オルダ・ルヴィア・ヴェスタニエの旦那がキング・ヴェスタニエであり、ルーラシアの誕生となる。

「おい、随分とこの霊峰が長いよなぁ」

「ネルゼト霊峰は青い壁の向こう側よ」

 壁の真ん中沿いに航路がある。

ルヴィア達は果てしなき地を目指す、ギョペクリ・テペにはジェラフバルト卿もいた。

「やぁ、やんやー、ディヴェルア卿も御暇していたか」

「ケッ、宮廷魔術師か?あるいはオレに何用か?」

「・・・・・・・・龍の化身は、よく言ったものぞ」

 ジェラフヴァルト卿はジュリアの初子でありながらも人の意識を抑止している。ディヴェルアはジェラフバルトの義兄であり、龍の化身を人類史の中で龍王と自らを龍に遂げたのはディヴェルア神唯一だ。

「テゥエルターナーに備えてか」

「我らの子が来るのを待とう。オレは・・・・・龍の王ぞ」

 ―――――ジェラフバルトはこの時は真っ当な青年であり、片鱗は見受けられた。

「魔導士よ、死の瘴気だけは隠しきれぬな!?ん”ほ”ほ”ほ”ほ”ほ”ほ”ほ”お”ぉぉぉぉぉ・・・・い”い”いぐぅ”いぐぅ”いぐ”いっ・・・龍の血ってのはオレが人に戻る際にイテェだけだ」

 褐色肌に幾何学紋の背丈が大きい男性に、黒コートを着てその拳は大地を裂く。

ヒトミの子にしてティアの兄でもあるディヴェルアは龍王にして宙の神。ギョペクリ・テペの大神殿の石碑に腰を掛けてエンリルとエンキが指揮を執っている。

「アヌの兄弟もようやっているじゃねぇか」

「お言葉ですがね、ディヴェルア卿もこの地に足を運んでくださって感謝します」

「オレの母は恐竜だ。オレの父は巨人だ。当然だろうな。お前に貸しは与えねぇつもりだが、これはテゥエルターナーの終止にケリをつける」

「そのようですな、蘇るのは宙からの侵略、かと」

 エンキとエンリルは相変わらず忙しかった。ジェラフバルトは黒の法衣に、サンダル姿でグローブをはめていた。

(死を経験し生を得るというのも輪廻に反する。僕はある人を蘇生させようとその代償はありさまだ。僕は死を与える方だ。生のある続く限り、僕は死を付与する)

 ジェラフバルトが世界最悪の魔導士になるのはテゥエルターナー直後だ。

―――――――0-RISE-――――――

ジェラフバルト卿(ジェラフヴァルト・エインリッヒ・ヴェスタニエ)

男性:24歳:魔導士

ヒトミの子にしてジュリアの初子。世界最強にして災厄の魔導士。

として呼ばれて、触れるモノを死なす力を持っている。

真っ当な青年を見た眼にしているが、黒の法衣を着てサンダル姿。

全身死というオーラを包み隠さずに、日々の魔術書を執筆しては自身を殺せる魔導書の悪魔を錬成している。

ディヴェルア

男性:30歳:龍王/王

世界最初の龍王にして龍を殺せる魔法を産み出した王。自らが龍の化身として天を造り、大地に恵みを授ける。


 

 




 

 

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