第12話:ゴーストリアの三因子06
『で、相談なんだが』
『何でしょう?』
零那と三代、それから二葉と四季でラインをする。一子は両親の待つ家に戻っている。何でも遺影が飾られお悔やみのご焼香が為されているとのこと。
『幽霊って在りうると思うか?』
「俺の頭が違えているのでは?」
『馬鹿な話には違いなよね』
二葉が切って捨てた。
『さもあらん』
それは零那も同意できる。
『けれども零那さんには見えているのでしょう?』
四季は相も変わらず誠実だ。
「もっと肩の力を抜けばいいのに」
そんなことを思う。
『三代としてはどうなんだ?』
三代。
白秋三代。
白い髪と瞳のアルビノ美少女。ロリな体型が一部で人気。背も低く……懐けば小動物のような愛らしさを見せる。もっとも人間不信という点では零那と一致するため、あまり他者に心を許さないのも一側面。
『とりあえず』
一区切り。
『幽霊については肯定します』
そんな三代のコメント。
『正気か?』
人を疑える立場でないのはその通りだが、それでも零那は勘ぐらざるを得ない。
『この際の小生の立場は気にする必要がありません』
『何故?』
と二葉。
『少なくとも零那にとっては一子が見えることが前提にあるのですから……それを否定すれば論じる余分が生まれません』
『なるほど』
四季の書き込みだが、零那たちの通念だ。
『つまりワンコが見えることは前提条件と?』
『ええ』
無味無臭なコメントだった。更に追加される。
『いわゆるイゼルローン攻略に於ける提督の薔薇の騎士団への信頼が重なりますね』
(そういえばビブリオはビブリオマニアだった)
殊更の痛感。
『結局幽霊……でいいんだよな?』
『では』
一息置く。
『そも幽霊とは何でしょう?』
哲学的な問いと呼べたろう。
「あー」
や、
「うー」
と考えて、
『魂の残留?』
そんな答え。
『三十五点です』
ギリギリ赤点では無いらしい。どこが間違っていてどこが評価されたのか。それは零那の方では分からない。
『そも魂とは何でしょう?』
『そこから?』
二葉が胡乱げなコメント。
『魂ですか……』
四季は思案している様だ。
『人の命の源……とかか?』
ひねりもない普遍的なコメントだ。
『ですね』
が、あっさりと三代は肯定した。けれどもソレで終わらないのが三代でもある。
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