第33話 役者が揃って
「
「久しぶり、
きまりが悪そうにそう言って、
突然訪れた再会。
どうして
そんな
「さっきまで大橋くんといたんだ。そして別れてしばらくして、ここに来て欲しいってメールが来たの。
「そうなんだ……とにかく久しぶりだね。元気だったかい?」
「うん……」
腕を搔きながら照れくさそうにうつむく
「ま、まあ座りなよ、そんなところで立ってないで」
「ありがと。でもね、その前に」
そう言うと
「
「え?」
再び
しばらくして、橋脚の陰から「えへへへっ、ばれてました?」と
「やっぱ私ですね、いい勘してます」
「全く……こんなことだと思ったわよ。どうせ私の後をつけてきたんでしょ」
「おっしゃる通りです、はい……ごめんなさい」
「私のことだからね。その無鉄砲さ、予想は出来たわ。そして
「いえ、全くもってその通りです」
「それと……ほら、涙拭きなさい」
そう言って、
「あははっ……分かりますか」
「当然。同じ
「……大橋くんには本当、辛い思いをさせちゃいました」
「そうね……でも、本当にいい人だった」
「はい」
そう言ってうなずき合う。
「二度も失恋させちゃった。しかもそれを、高校時代の私にまで見られちゃって。今度会ったらちゃんと謝らないとね」
「はいです……そんなつもりはなかったんですけど、でも悪いことをしちゃいました。その……
「よね。でもまあ……
そう言った
「あーっ! ちょっとちょっと
「だってー、高校時代の
「でもでも、駄目ですって
「ちょっとぐらい、いいじゃない。私だって今日は大変だったんだしさ。充電よ充電」
「だから駄目ですってば。どうしてもって言うんなら、隣に
「私はこっちの
「だーかーらー。と言うか
「いや、その……とんだとばっちりなんだけど」
「……
「はい、本当に色々と」
「はいはい、そっちも当人同士で勝手に盛り上がらないの。何よ、私一人のけ者みたいじゃない」
そう言って
「さて……そういうことで、精霊ミウちゃんの思惑通り、当事者の4人が顔を突き合わせた訳なんだけど。これからどうする?」
腕を組み、この場を仕切りだした
この強引さ、やっぱ私だ。
そう思いながら、
「場所、変えませんか」
「別にいいけど、どこかいい場所でもあるのかな。あ、でもね、私や
動揺を隠しきれず、早口でまくし立てる
「大丈夫、今の私たちに一番ふさわしい場所がありますから」
「……で、そのふさわしい場所と言うのが、ここな訳ね」
それは二人が初めてキスをした、あの神社だった。
「はい。ここ以上にないと思うんですけど、違いましたか?」
そう言って意地悪な笑みを浮かべる
「はいはいそうですね、参りましたよ全く……
コンビニ袋から缶ジュースを取り出し、二人に渡す。
「はい
「ああ、ありがとう」
相変わらず優しい笑顔だな。そんなことを思いながら、
「
少し真面目な面持ちで
「そんな私たちを見て、あなたはどうにかしたいと思った。何より
「はい。勿論、二人が仲良くしてることが一番でした。でもそれ以上に
「それでもう一度、私たちを引っ付けよう、そう思った」
「お節介なのは分かってます。その上
「ぷっ……」
「えー、
「ごめんごめん、でも……ふふっ、ほんと、私ってば迷惑娘よね。ごめんね
「あ、いえ、その……大丈夫です」
「ちょっと
「あ、その……ごめん」
「あははははっ」
二人のやり取りに、
「ほんと楽しいわ、あなたたちを見ていると。と言うか、昔の私たちね。懐かしいなあ、ほんと……もしもミウちゃんに願いを言えるとしたら、きっと私はこう願うだろうな。『時間を10年戻してください』って」
「
笑顔で星空を見上げる
「普通に生きていたら、絶対に起こらなかったイベント。いいわ、こうなったら私も覚悟を決めます。あなたたちにとって満足のいく結果になるか、それは分からない。でも私はここに宣言します。
そう言って
「
「ああ、分かった。僕も誓うよ」
優しく微笑み、
「ありがとうございます、
「じゃあ……始めましょうか。本音のぶつけ合いを」
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