第3話 恋の願い
「
「うん、そう」
ミウを見つめる
「私たちってね、子供の頃からずっと一緒だったんだ。親も仲がいいし、お互いの家にお泊まりとかもよくしてたの。
私はずっと
でもね、私がお願いしたら一緒に遊んでくれるの。それがすごく嬉しくて……いつの間にか
いつか付き合いたいって思ってたけど、でもほら、こういうのって女の方から言うのも恥ずかしいじゃない? だから私、ずっと待ってたの。
瞳を爛々と輝かせてまくし立てる
「半年前、ついに願いが叶った。
いやいや僕、
「でもね、それでも嬉しかった。
その姿を見てね、私、ちょっとだけ後悔したの。こんなに大変なことなんだったら、私の方から告白しちゃえばよかったって。男だとか女だとか言う前に、自分の気持ちに正直になっていればよかったって」
「まあ一理あるかな。人間の社会ではそういう役割、男の方がするみたいだけど、女の方から求愛する生物もいることだし」
「でも嬉しかった。だから私、その場で
そう言ってまた枕に顔を埋め、「きゃーきゃー」と声を上げる。
「……その時ね、
「そして今日、その
「きゃー! きゃー!」
あ、言わなきゃよかった。また話が長くなる。ミウが再び苦笑した。
「あの
おかげでさっきまで、頭も体もふわふわしてたの。何も手につかないし、何も考えられない。ねえミウ、これって私、本当に
「う~ん、どうなんだろうね。僕たちにはそういう感情がないから。ちょっと答えにくいかな」
「そうなんだ。精霊って不便なんだね」
「あははっ……それで
「うん、そう。そしてそれはね、
「なるほどね」
「だからね、これはもう将来結婚するしかないと思うんだ。そういうことを考えた時、私には
「二人の想いは一緒だと」
「うん、そう思いたい。ううん、違うな、信じたいんだ」
「そっか。でも恋愛のスタートは、まず信じることだからね」
「私、今の気持ちがずっと続くと信じてる。
「そっか。うん、分かったよ」
「見せてもらえる?」
「そうだね、何でも叶えると言ったのは僕だ。流石に、
「どういうこと?」
「未来を知ってる人間が過去に行くと、そこで必要以上の干渉が起こってしまうんだ。言ってみれば、歴史の改変が行われるリスクが生じる」
「なるほど……そうよね、もし過去に行けるのなら、私だって過去の自分に助言しちゃうと思う。その決断は駄目だよ、別の選択を考えた方がいいよって」
「その後どうなるかを知っているからね。だからそっちを頼まれてたら、制約が多いしやめた方がいいって言ってたと思う。
でも未来なら、話は違ってくる。過去の
「でももし、未来の私や
「確かにそうなるね。でもまあ、それぐらいは大目に見てあげるよ。それも含めて、
「……精霊って、結構大雑把なんだね」
「あはははっ。でもまあ、命の恩人へのお礼なんだ。少々のアクシデントには目を瞑るよ」
「じゃあ、連れて行ってくれる?」
「うん、喜んで引き受けるよ」
「ありがとう、ミウ」
「それじゃあ準備するね」
「準備って?」
「うん、色々ね。まずは……どれくらい先の未来に行くのか、それからだね。任せてもらってもいいかな」
「いいよ。私に聞かれても悩むだけだし。ミウに任せる」
「じゃあちょっとだけ、静かにしててもらえるかな」
そう言うとミウは
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