第13話 原作へのトラウマだけが理由なのか?
100:名無しの転生者
さて、ここまで話を聞いて我々が至った結論はひとつだ
101:名無しの転生者
ああ、もう答えは出ているな……
102:名無しの転生者
イッチよ
すまなかったな
安易に「抱けー! 抱けー!」と言うべきではなかった
イッチに送るべき言葉は、もっと別にあった
103:名無しの転生者
うむ
そのとおりだ
イッチに必要な覚悟は「抱く」ことの覚悟ではなかったな
104:【名無しの童貞】
おお!
やっと皆もわかってくれたのか!
105:名無しの転生者
ああ、やっと答えが出たよ……
イッチ
潔く淫乱母娘に「抱かれてくれ」
106:【名無しの童貞】
抱かれる!?
107:名無しの転生者
だってもうソレしかないでしょ~?
どう考えたって手遅れだよお隣さんは~
108:名無しの転生者
ほんソレ
告白の断り方を考えるとか……もはやそういう次元の案件じゃないから
109:名無しの転生者
いや、本当コレはもうイッチは逃れようがないよ……
こんなにも拗らせちゃったお隣さんたちをどう説得する気でいるんだ?
無茶です
責任を持って彼女たちに身を捧げなさいイッチ
110:名無しの転生者
せやせや
抱かれろー! 抱かれろー!
111:名無しの転生者
ついに母娘丼実況を拝める時が来たようですね
氷山に居るけど全裸になった
112:名無しの転生者
長かったな
113:名無しの転生者
待ってたぜェー! この瞬間をよォー!
114:名無しの転生者
真面目な話、これ以上彼女たちのヤンデレが深刻化する前に結ばれてしまおう
いまならまだ純愛で済むぞ!
115:名無しの転生者
四股で純愛って何?
116:名無しの転生者
官能小説の世界なら普通です
117:名無しの転生者
合意の上で愛し合っているなら何股しようが純愛だよ
118:名無しの転生者
リョナグロ小説のヒロインたちの運命を変えたのは誰だ?
そう、イッチだ!
お前には作品の世界観を変えた責任があるんだよ!
最後の仕上げだ!
陵辱ジャンルから純愛ハーレムジャンルに移行しろ!
119:名無しの転生者
そうだそうだ!
彼女たちの幸せを本気で考えるなら躊躇うな!
ハーレムを受け入れろ!
彼女たちが何よりそれを望んでいる!
120:【名無しの童貞】
ぐっ……
し、しかし
しかし俺は……
121:名無しの転生者
なんだ?
まだ原作のトラウマから躊躇しているのか?
……まあ、まさか夢に見るほどトラウマになっているとは思わなかったが
122:名無しの転生者
というか退場しても尚ここまで影響力というか何かしら痕跡を残す鬼畜息子の恐ろしさよ
曲がりなりにも原作主人公は伊達ではないということか……
123:名無しの転生者
長女は鬼畜息子の『ゲスノート』のせいで取り返しのつかないことになってしまったからな
124:名無しの転生者
長女ちゃんェ……
125:名無しの転生者
いやさ
長女はマジでどうしてこうなった?
126:名無しの転生者
あれ~?
おかしいな~?
過去ログ読み返してみると長女ちゃん清楚系ツンデレとして一番正統派ヒロインしていた筈なのに……
127:名無しの転生者
いまやイッチ専属ワンコメイド希望の変態である
128:名無しの転生者
もうどこにもお嫁に行けないねェ~
いやマジで責任取れよイッチ
頼むから貰ってあげてくれ
これで長女ちゃんがフラれたら不憫でならねぇよ
129:名無しの転生者
それ言うならママンだって歳の差とか世間の目とか
そういう倫理観をなげうってまでイッチの女になることを選んだんだぞ?
これで拒んだら逆に鬼畜そのものぞ
130:名無しの転生者
次女ちゃんの心だってもう決まっているんだ
誰よりもお嫁さんに憧れている彼女を生涯独り身にさせないためにもイッチが幸せにしてやれ!
131:名無しの転生者
イッチ!
ヘタをしたらドロドロの多角関係になるかもしれなかったこのカオスな状況を!
大天使三女ちゃんが「ハーレム」という形で解決してくれたんだぞ!
彼女の「皆で幸せになりたい」という純粋な願いをイッチは否定するというのか!?
132:名無しの転生者
いい加減に自分の気持ちに素直になれイッチ!
でないと、また新たな鬼畜が現れて四人に毒牙を向けるかもしれないんだぞ!?
133:名無しの転生者
それなんだよな
陵辱系官能小説の世界である以上、危険な存在が鬼畜息子だけとは思えない
134:名無しの転生者
なんならそこら中で強姦魔が蔓延ってそう
135:名無しの転生者
エステとか精神科とか絶対に居そう
136:名無しの転生者
草
安全地帯無いじゃん
137:名無しの転生者
これだから陵辱系官能小説は……
138:名無しの転生者
そんな鬼畜どもが蔓延っているであろう世界で四人の女性を守れるのは誰だ?
イッチ! お前しか居ないんだ!
139:名無しの転生者
鬼畜どもに奪われる前にお前が奪え!
それが一番彼女たちを守ることに繋がる筈だ!
140:名無しの転生者
イッチの力で世界の不条理をねじ曲げるんだよ!
陵辱系から純愛系に塗り替えろ!
大丈夫!
お隣さんの運命を変えたイッチならできるよ!
141:【名無しの童貞】
それでも……
それでも俺は!
142:名無しの転生者
ええい!
まだ躊躇うというのか!
原作へのトラウマが何だ!?
悪夢に出てくる鬼畜息子が何だ!?
目の前の現実を見ろ!
鬼畜息子はもう居ないんだ!
居るのはイッチを愛する四人の女性だ!
彼女たちの愛を受け入れてトラウマを乗り越えてみせろ!
143:名無しの転生者
イッチよ
確かに三日間寝込むほどにショッキングな内容だった原作への悪印象が抜けないのはわかる
……でもさ?
ここまで彼女たちと親密に過ごしてきても、そのトラウマは払拭できないほどに根深いものなのか?
ここまで彼女たちと絆を紡いでてきても尚、イッチは彼女たちを官能小説の住人としてしか見れないのか?
144:【名無しの童貞】
違う!
三女ちゃんに指摘されて、無意識にいだいていたその歪みにやっと気づけた!
彼女たちはフィクション上の存在なんかじゃない!
いまこのときも彼女たちは確固とした意志を持って生きている、生身の人間だ!
彼女たちの思いだって本物だ!
それはわかってる!
わかってるんだよ……
145:名無しの転生者
だったらなぜ!
146:名無しの転生者
そんなに怖いというのか!?
原作主人公の立場に自分が収まることが!
147:名無しの転生者
悪夢の内容なんて気にするな!
イッチは鬼畜息子とは違う!
そんなのとっくにわかってるんだよ俺たちは!
148:名無しの転生者
イッチが誠実な善性の塊であることを知っているからこそ、俺たちもこう言っているんだぜ?
確信しているんだよ俺たちは!
四人を幸せにできるのは、イッチしか居ないってことを!
149:【名無しの童貞】
……できない
俺じゃ、彼女たちを幸せにできない
できないんだよ!
150:名無しの転生者
何でそんなこと決めつけるんだ!
自分に自信を持て!
151:【名無しの童貞】
自信とかそういう問題じゃないんだよ!
俺には……どうしたってできない……
……どうしてだ?
どうしてだよ神様?
何でよりにもよって俺を官能小説の世界なんかに転生させたんだ!
152:名無しの転生者
イッチ?
153:名無しの転生者
ど、どうしたんだイッチ……
154:【名無しの童貞】
こんな、残酷なことがあるか……
俺は、本当にただ、彼女たちに幸せになってほしかっただけで……
なのに、何で、こんなことに……
155:名無しのカウンセラー
……なあイッチ
お前が抱えているトラウマは、本当に原作小説へのトラウマだけなのか?
156:名無しの転生者
カウンセラーニキ!
157:名無しの転生者
どういうことだカウンセラーニキ?
イッチはいったいどうしちまったんだ?
158:名無しのカウンセラー
ずっと引っかかっていたんだ
イッチがここまで過剰に彼女たち四人の思いを拒んでいる様子に
そして、いくら何でも不自然すぎる鈍感ぶりに
寝込むほどにショックを受けた作品の登場人物たちを異性として見れない
なるほど
確かに最初は本当にそうだったんだろう
でも……
本当に今もそれが続いているのか?
上の発言にもあったが……彼女たちと親密に過ごした時間が、その傷を癒さなかったのか?
生身の彼女たちと実際に話し合って、触れ合って……それでもフィクション上の彼女たちの影が付きまとっているのか?
そんなにも原作へのトラウマは根深いのかイッチ?
159:【名無しの童貞】
……それは
160:名無しのカウンセラー
……そんなに「彼女たちを異性として意識してはいけない」と自分に言い聞かせているのか?
161:名無しの転生者
え?
162:名無しの転生者
ちょっと待て
どういうこったい
イッチがここまで頑固になっているのは……別の理由があるってことなのか?
163:名無しの転生者
おいイッチ
イッチがハーレムに躊躇するのは原作へのトラウマだけが原因じゃないのか?
164:名無しの転生者
どうなんだイッチ!?
165:【名無しの童貞】
……
166:名無しのカウンセラー
イッチ
酷なことを言うかもしれない
でも、ここまで来たらもう包み隠さす話して欲しいんだ
好奇心とかが理由じゃない
ここまで誠実に頑張ってきたイッチだからこそ、本気で力になりたいと思っているんだ
解決できることなら、解決したい
報われて欲しいんだ君には
だからイッチ
君が話しても構わないと思うのなら
どうか打ち明けてほしい
……まだ何か、俺たちに隠していることがあるんじゃないのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます