第2話 衝撃の告白

いつも店が終わってから4人で、みゆちゃんの友達が車を停めてある場所まで歩いていた。店から歩いて20分くらいの場所に止めてあった。



いつもK先輩と友達のホステスKちゃんが5メートルくらい先を歩き、みゆちゃんと私はその後を歩いていた。



「うーわ、Kさん、Kちゃんとめっちゃキスしてるわ。」



前を歩くKさんがおもむろにKちゃんを抱き寄せ、ディープキスをしていた。



私は酔いもあり、Kさんに触発されて1度みゆちゃんに強引にチャレンジした事があった。



「やめて、エレジーちゃん、私、そういう風にされるのイヤなんよ・・・」



みゆちゃんに真剣にそう言われて、ハッと我に帰った私。



「ご、ごめん・・・」



何度かチャレンジして、力の入れ具合が本気だったのでやめた。本当に好きだったから、嫌がられた事に申し訳ない気持ちで一杯だった。



みゆちゃんと帰る回数を重ねる毎に、段々と自分の事を話し始めている自分がいた。



「俺、最近、ショックな事があってね・・・」



事実、みゆちゃんと初めて会った時、私は1人の女性と別れたばかりだった。



すると、みゆちゃんが呟いた。



「生きているだけ、まだ、いいじゃない・・・。私なんか・・・」



みゆちゃんにも、同棲していて結婚しようとしていた男性がいた。前日も普通に話をしていた。


しかし、翌朝、目覚めたら亡くなっていた。



悲しみにくれるみゆちゃんに、警察は明らかに不信感丸出しで接してきたらしい。彼の死だけでも考えられない衝撃なのに、容疑者のような詰問攻め。



本当に大変だったと思う。



歩きながら聞いていたけれど、あまりの衝撃的な告白に歩みを止めてしまったくらいだ。私は、みゆちゃんに何て声をかけたらいいのか必死で言葉を探した。



「そっか・・・大変だったね。・・なんて言っていいかわからないけれど・・・・・絶対にその人の事忘れちゃダメだと思うな。」



みゆちゃんによく思われたいとかじゃなく純粋にそう思った。



ふと隣を見ると、みゆちゃんがいなかった。振り返ると、みゆちゃんは立ち止まって泣いていた。そばに駆け寄り肩をそっと抱いた。



「初めて・・言われた。忘れちゃダメって・・・」



みゆちゃんの話しによると、この人はって人に話しても「俺が忘れさせてやるよ!」的な人間ばっかりだったらしい。その言葉に、みゆちゃんはなんとも言えない嫌な感情を感じていたらしい。



その日を境に、私とみゆちゃんの距離は急速に近くなった。



K先輩とKちゃんは、所詮、客とホステス。



そのうち店に行く頻度も減っていき、K先輩ともKちゃんとの話題が出なくなっていった。



私とみゆちゃんは、その後も電話でやり取りしていた。その内、店以外で会うようになった。



何度目かにあって、酒の勢いもありホテルに行く流れになった。そこでの出来事は、私は本当にみゆちゃんの事を大事に思っているんだと確信した出来事だった。



そして、順調そうに見えた2人の関係を揺るがす“あの出来事”が起こる。

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