第59話 俺の町に帰る道中 その2

 俺はさくらに返信の返信をしようかと一瞬思ったが、今のさくらは浮かれている状態に決まっているから、もし返信をしたらエンドレスに成ると俺は予想して、返信は止める。

 さくらのメッセージは、一区切りが付いている文面なので、俺からの返信が無くても大きな心配はしないはずだ。


(太い……赤い糸か…)

(それは、もはや糸では無くロープだろうが…)

(俺がさくらに裏切る行為でもしたら、遠慮無しに、その赤いロープで首を絞めそうだな!)←汗


 ……


 俺は深夜に近いPAの景色を見ながら、缶コーヒーのプルタブを開けて、缶コーヒーを飲み始める……


「……」


 俺の視線の向こうには、高速道路の本線が見える。

 トラックがディーゼルエンジンをうならせながら通過する音や、かなりのスピードで通過していくスポーツカーなど、流石、幹線高速道路だ。


(来月は俺からさくらに逢いに行くとしても、来月の後半からは、さくらも夏休みに入るよな……)

(さくらはまだ、受験生では無いから……さくらはフルに動けるだろう…)


 俺は今後の行動と、さくらのことを考える。


(さっきは高校卒業まで待てと、さくらに言ったが、さくらが夏の思い出を求めてきたらどうしよう//////)

(命が生まれる心配は絶対に無いが、よろしい行為とは言いにくいし、それに俺もさくらの“ぞうさん”に全く興味が無い訳では無い……)


(あの美少女顔で快感を与えれば、もっとさくらはえつを得る表情に成るだろうし、男の娘の絶頂姿も見てみたいと言えば見てみたい!///)

(てっ……あかん、あかん。さくらはまだ高校生だ!!)


(高校生同士なら不問に成るとか聞いたことが有るけど、俺の場合は成人だ!///)

(体は男性でも、あの美少女顔は非常に目立つ!!)

(仮に“やるなら”絶対安全な場所を選ばないと!?///)


「ふぅ~~」


 俺は邪心を払う為に、飲みかけの缶コーヒーを飲む。

 今晩は少し蒸し暑いから、丁度冷たい缶コーヒーが合う。


(顔と性格だけを見れば、さくらを手放すのは愚策だ!)

(しかし……家族を作ると成ると別問題だ!!)


(本当に家族を作るなら、さくらより朱里さんと関係を深めて、俺と朱里さんで新しい命を作り、そして朱里さんと家族を作りたい…)

(でも、さくらと関係を持ってしまった以上、朱里さんは絶対に距離は縮めないだろうし、さくらもそれを許さないだろう……)


(なんせ、俺はさくらと悪魔の約束をしてしまったからな……)

(俺がさくらの大人にさせることを……)


 俺はそんなことを思いながら、缶コーヒーを飲み干すが、まだ頭の中に考えが湧き出てくる。


(あ~~、さくらが小説の世界のように、ある日いきなり女の子に成らないからな!)

(それか突然変異で『颯太さん! 急に私に卵巣と子宮が出来ました!!♪』に成らないかな!?)


(もう、こう成ったら、さくらがふたなり娘でも良い!!)

(俺は命を作ることが出来る、さくらと性行為をしたい!!!)


 叶わぬことを思いながら、俺はしばらくの間、高速道路の夜景を見ながら今後こと、特に桜のことを考えていた……


 ……


 考えが纏まった訳では無いが、此所にずっと居ても仕方ないので、俺はトイレに行ってから車内に戻り、PAから車を発進させる。


「次に有る、SAで腹ごなしをして、その後は……適当なPAで仮眠を取るか!」

「この時期だから毛布類も無しで寝られるし、深夜だからエンジンも掛けなくても仮眠ぐらいなら取れるだろう!!」


「明日からと言うか、しばらくの間はRailでの遣り取りが中心だが、お互い今度こそは笑顔で逢いたいな!」


 俺は深夜の高速道路を走らせながら、独り言を喋っていた。

 さくらは男性だが、心は完全に女性だ。

 性に関する問題だけは、どうしても避けきれない問題だが、それ以外はさくらが自己努力してくれているので、ほぼ回避出来ている。


「あの年で、化粧も上手だしな!」

「男性特有の“青ひげ”も、全然見えなかったもんな!!」

「本当に大したもんだよ。さくらは!!」


 俺は今後のことを色々と思い描きながら……俺は自分の住んでいる、三○県南部方向に戻って行った……

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