第41話 恋人同士に成った、最初の行動?

 俺とさくらは正式な恋人関係に成った。

 同性同士では有るが……


 日は完全に暮れて、喫茶店駐車場の照明設備は防犯灯のみで有る。

 朱里さんを含む三人は、日が暮れたので防犯灯の下に移動していた。

 俺は今の時刻を確認する為に、スマートフォンをポケットから取り出し、時刻を確認する……


(今に時刻が……18時55分か)


 恋人同士に成ったさくらで有るが、今日のオフ会はこれで終わりで有る。

 後はさくらを自宅付近まで送れば、無事に一日が終ると言いたいが、その後俺は、三○県南部まで戻らないと行けない……


「♪~~」


 さくらは勝手に、自分の右腕を俺の左腕を絡ませており、本当に嬉しそうな表情をしていた。

 こう見ると、子どものように感じた……


 さくらの幼少期の頃は、間違った愛情を両親から貰っていたから、上手に甘えられなかったのだろう。(恐らく……)


(そろそろ、朱里さんに声を掛けて、この場を離れるか……)

(さくらの家族も心配するかも知れないし、俺も帰る時間が遅くなってしまう…)


 俺はそう思い、朱里さんに声を掛けようとしたら、朱里さんが先に声を掛けて来た。


「颯太さん!」

「さくらちゃんからは、おもてなしを受けたけど、私からも颯太さんのお近づきの印に、“おもてなし”をしたいのだけど♪」

「どうかな?♪」


 薄暗い中だが、はっきりと分かる笑顔で話す朱里さん。

 ……今からまた、喫茶店に戻るの?


「おもてなしですか……」

「お気持ちは嬉しいのですけど……もう19時ですし……」


 俺は時刻が時刻だし、折角、朱里さんから誘われたが、俺は断ろうとすると……


「遠慮なんかしなくても良いわよ。颯太さん!!」

「車で5分ぐらいの所にね、この時間でもやっている、ご飯屋さんが有るのだよ!!」


「もう、夕飯の時間だし、颯太さんもさくらちゃんも、あれから食べ物は食べていないから、お腹減っているでしょ♪」

「二人の恋人成立記念と、颯太さんのおもてなしをお姉さんがして上げる♪」


 本当に笑顔で、祝福してくれるように話す朱里さん。

 この人の笑顔も、さくらの笑顔と同じように眩しかった……


(不思議と……朱里さんの笑顔の方が、下腹部が“もぞもぞ”するな…)

(やっぱり……本物の女性は、本能の反応が違うな!)


「えっと……俺は良いのですか、さくらさんはどうですか?」


 さくらと朱里さんの関係は完全な者だから、さくらは断る訳は無いと思うが、俺は声を掛ける。


「颯太さん! お気遣いありがとうございます!!」

「では、朱里さん!」

「お言葉に甘えて、ごちそうになります!!」


「それと颯太さん!」

「もう、恋人関係に成りましたから、“さん”付けは要らないです♪」

「今度からは、さくらで呼んでください!!」


 さくらも、朱里さんに負けないぐらいの笑顔で喋る。

 可愛さは、朱里さんよりさくらの方が上だが、さくらを男性だと頭が認識しているから、下腹部の反応はやはり弱い……


「じゃあ、二人とも決まりだね!♪」

「場所は、さくらちゃんも知っているから、さくらちゃんは颯太さんの車に乗せて貰ってね!」

「颯太さん。場所はさくらちゃんに聞いてね!!」


 朱里さんは笑顔で言い終えると、体の向きを変えて、朱里さんの車の方に向かっていく。

 流れ的に今から出発の流れだ。

 俺がさくらに声を掛ける前に、さくらが声を掛けてくる。


「颯太さん!」

「車に乗る前に、家に連絡を入れておきます!!」

「朱里さんと食事を摂る事に成ったので、遅くなりますと……」


「そうだね。家族に連絡だけは、先に入れた方が良いね!」

「じゃあ、話を聞くのも気が引けるから、俺は先に、車に戻っているから!!」


「気を遣わせて、ごめんなさい!///」


 さくらは困った微笑みをしてから、可愛らしいバックからスマートフォンを取り出し、家族に電話を掛け始めた。

 盗み聞きはするつもりは無いので、俺は車に向かう……


(さくらが家族に連絡する時、やっぱり、俺の名前は出さなかったな……)

(さくらもこの関係は、しばらくは家族に隠す流れかな?)

(都合が良いも変な言葉だが、最低でも数ヶ月間は、おおやけにはして欲しくないな…)


 さくらと恋人関係に成ったが、最終着地点を作るのがこれからだ。

 何かの拍子に、さくらが俺よりもっとイケメン男性に、興味を持つかも知れないし、朱里さんが俺に好意をいだくかも知れない!?


 時間的に、俺の町に到着する時刻は、完全に深夜に成りそうだが『まぁ良いか!』と感じ、俺は一足先に車に戻った。

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