第33話 策士さくら

「あ~~、温かい!!」

「それに感じる!!」

「颯太さんのぬくもり!!」


「あっ、それに感じる❤」

「私、心は女の子なのに~~❤❤」


 桜坂さんは完全に、性を求める表情に成っていた!!

 体は男性だけど、顔は美少女だから素直に喜べない。

 普通なら俺の“ぞうさん”も興奮するが、さくらさんの異常行動で、俺のは全くの無反応だった……


(さくらさん!)

(性には興味が無いのでは無かったの!!)

(男性器なんて、排尿以外の機能は要らないと言っていた割には、思いっきり男性の快楽を求めているぞ!!)


 俺は桜坂さんの豹変に、ただ驚くしか無かったが、これで絶頂させてしまったら、もう後戻りは出来ないぞ!!

 責任を持って、桜坂さんを幸せにするしか無い!?

 その前に、桜坂さんの両親はそれを許してくれる??


 本当にこれ以上は不味いと感じ、俺は強引でも桜坂さんを突き飛ばそうと思った時、桜坂さんは掴んでいた左手を離す!

 俺はそのタイミングで、直ぐに左手を自分の方に戻す。


「……♪」


 桜坂さんは自分の右手で、ショーツ越しから“ぞうさん”を少しさすり、俺の方に顔を向ける。


「颯太さん……私のはどうでしたか♪」

「これで、私が男性だと言うのは、完全に証明出来ましたよね♪」


 桜坂さんは満足した表情を俺に向けて言う!?

 俺はどう答えれば良いの!! 本気マジで!!


「……」


 俺は無言で、桜坂さんのショーツ真ん中部分を見る。

 言うまでも無くショーツ越しからでも、立派な物が確認出来る。


(さくらさんの“ぞうさん”。完全にパオーン状態だ!!)

(それにショーツ上部に、湿り気らしきものを見られる……)

(俺で本当に感じてしまったのか!)


(俺をそう言った目線で見てくれるのは、嬉しいと言えば良いのか!?)

(うーん、複雑だ……)


 俺はとにかく、何か言葉を出さないと行けないと感じ、桜坂さんに話し掛ける。


「……突然の行動で、びっくりしたよ…」

「本当だったら、凄く怒らなければ成らないのだけど、怒れないと言えば良いのか…」


 俺がそう声を掛けると、桜坂さんも『少しやり過ぎた!///』の表情で話し始める。


「私も……少し強引過ぎたかなと思っていますが…、颯太さんが私を最後まで女性だと見ている感じがしました!」

「私は見かけは女性ですが、中身は男性です!」

「生殖器に刺激を与えれば興奮もしますし、を含んだ体液も出ます!!」


 桜坂さんは途中から力強い表情に変わって言う。

 その表情は女性の顔をしていても、男性の表情だった……


 桜坂さんはわざとあの様な行為をして、私は男性と見せ付けたかったのだろう。

 俺は知らない内に、桜坂さんにプレッシャーをかけていた事に気付く……


「なんか、ごめん。さくらさん……//////」

「俺……さっきの行為を見るまで、ずっとさくらさんは何処かで、女性では無いかと感じていた」

「立派の言葉もおかしいけど、さくらさんは男性なんだね!」


「はい。そうです!!」

「世間では、これを“男の娘”と言うそうですが、そうは思われたくは有りません……」

「私は好きでこの様な格好をしているのでは無く、これでしか生きていく道が無いからです!」


「いっそ、性転換手術を行う手も有りますが、リスクもどうしても有ります……」

「今の状態では、男性での生活は出来ないし、女性になる気も私は無い!」

「ですから、女性の格好をして生きるしか無いのです!!」


 桜坂さんは、真剣な眼差しを俺に向けながら言う。

 確かに性転換手術はリスクが大きい。

 いざ、性転換をしてみた者の後悔をしたり、再性転換手術を行った人だって居るそうだ。


(最後に大きなアクシデントが有ったが、これでさくらさんの身体確認は出来た!)


「さくらさんの気持ちが、少しでも理解出来たよ」

「変なことさせて、ごめんね。さくらさん……(汗)」


「いえ、そんなこと言わないでください。颯太さん!//////」

「私も、颯太さんの手で少し感じる事が出来ました!❤」


「!!」


 さっきの行為を、頬を染めながら嬉しそうに言う桜坂さん!!

 俺との体の関わりを完全に、求めている感じだった!!


(おい、おい、さくらさん…。俺はまだ其処までの、心の準備が出来ていないぞ//////)


 桜坂さんの嬉しそうな笑顔を見ながら俺は、『もっと深い関係を、本当に進めて良いの』と、自問自答していた……

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