王道学園に編入します! 2

そんなこんなで10歳から緋彩の皆んなに色々教えてもらったから、僕は思った以上に強くなっちゃったし、副総長のシロさんに、ピアスかっこいいねぇって言ったら、開けたげるよ!!!って食い気味で沢山開けてくれて、今では僕もピアスジャラジャラになってしまった!校則ゆるくて良かった!笑




おにぃはアクセサリーつけるの好きじゃないらしくて開けさせてくれなかったんだって、シロさん開ける時めちゃくちゃいい笑顔だったなぁ〜!笑




緋彩は少数精鋭のチームらしくて、人数はそんなにいないんだけど、皆んな馬鹿強いの。ほんで皆んなイメージカラーで呼ばれてる。


僕も一緒にいる事が多いから、最初は『ハル』て呼ばれてたのに、いつのまにか『クロ』って呼ばれるようになってた。



喧嘩してる時、他の族の人に一応顔バレしないように、黒パーカーのフードかぶって、黒スキニー履いて黒マスク付けて全身真っ黒の格好で溜まり場に行ってたからだと思ってたんだけど、シロさん曰く、




「ハルってなんか黒猫っぽいンだよなぁ〜。美猫ちゃん。だからクロ!」


らしい。



なんか納得いかない。全身真っ黒だし、僕の戦い方が猫っぽいってよく言われるから黒猫はまぁ仕方ない?けど、美猫ってなんだよ。



切長のスッとした目元に、薄い形のいい唇。

背中まである綺麗な白銀の髪を後ろで結んでるシロさんの方がよっぽど和風美人なのに。変なシロさん。





おにぃはというと、大学に進学すると共に本腰入れて跡を継ぐ為の勉強をするから、



「総長やめるわぁ〜!シロ、あとよろしく!」



って副総長だったシロさんに全部押しつけてサラッとやめて、大学からは寮じゃないから僕が高校行くまでは一緒に居られる!って実家に帰ってきたんだよね。



え?フッ軽すぎない??って思ったのは僕だけじゃないはず。



まぁでもすぐ変な事言うブラコンだけど、入学したらしばらく会えないんだなあって思うと、ちょっと⋯⋯いや結構寂しいかもしれない⋯。



多分僕も割とブラコンなんだと思う。




しかし何度も言うけどおにぃはほんとブラコン。

桜華学園の編入試験に受かった僕に、おにぃは至極真面目な顔してBL漫画を渡してきた。遥は美人だから絶対危ない。予習して気を付けてくれ。って。




んんんん???おにぃ???




って正直ちょっと引いたよね。僕、別に美人じゃないし。

美人ってシロさんみたいな人のこと言うんやで。

ブラコンフィルター凄いなってまじで思う。





なんの変哲もない黒髪に、165㎝しかない身長で、どう頑張っても筋肉がつかないほっそい身体。


あぁ、おにぃとお揃いの色素の薄い琥珀色の瞳だけは、自分でも好きだけど。




そうおにぃに言ったら、思いっきりため息吐かれて、嬉しいけど⋯無自覚ぅ⋯⋯って呟いたあと、黒のカラコンを渡されて付けとけって言われた。



なに???なぜに???って思ったけど、おにぃがそれで安心するならまあいっかって思って、学園では付けとくことにして、荷物に突っ込んどいた。






高等部卒業生のおにぃ曰く、桜華学園はこのBL漫画の王道学園とそっくりらしい。

要するに、同性愛が普通の世界。



正直僕は中学から女の子には目が合えば逃げられ、用事があって話しかければ真っ赤になって震えてまた逃げられ⋯⋯碌に話した記憶もない。

こんなに嫌がられることある?どゆこと??そんなに僕嫌がられてるのか⋯って正直傷付く~女の子分かんね~って思ってたのもあって、初恋もまだだ。



だから自分が恋愛してるところがうまく思い浮かべれないんだけど、まぁ友人に同性が好きってカミングアウトされたとしても、別に好きなら性別関係ないんじゃない?って感じで偏見はない。




おにぃはイケメンだから、相当言い寄られたんじゃない?って言ったら、大好きな許嫁の為に全回避したらしい。確かにおにぃは破天荒だったくせに、許嫁のゆずさんの事はずーーーっと大事にしていて、昔からずっととっても仲良しのラブラブだ。



柚さんは僕のことも可愛い弟だって言って世話焼いてくれる、とってもいい人なのです!


末永く幸せに爆発してほしい。って言ったらおにぃにデコピンされた。解せぬ。



そんなこんなで相当心配されながら、入学式前日の今日、おにぃに車で送ってもらい桜華高校の門前に降り立ったのである。




『⋯⋯でっかぁ。なにこれ、城?』


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