(四)-3(了)
衝撃的なシーンを見てしまった。人の頭が吹き飛ばされたのだ。
しかしその後、すぐに違和感を覚えた。赤くないのだ。周囲に粉々になった頭部の欠片が飛び散ったハズなのだが、撃たれたゲゲチコリの体は血に濡れていなかった。首からは血が噴き出すのでもなく、頭部とつながっていたと思しき、なにかケーブルのようなものが垂れ下がっていた。背骨らしきものもあったが、白い骨などではなく、鉄などのシルバーの金属色だった。
「ねえ、ちょっとアレ何?」
私がいうと、デニスが私の双眼鏡を奪うようにとり、議事堂の方へ向けた。
「……あれ、機械なんじゃないの?」
あれがなんなのか、私もデニスもはっきりとはわからなかった。でも見た感じだと、あれはロボットのようにも見えた。
(了)
十七回目の暗殺計画【『絶望のツンドラ』シリーズ】 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi
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