(二)-18

 私はそう尋ねた。できるとしても、あとはもう国外逃亡しかない。

「そう。だからこそ、カヘティ解放戦線の方々には頑張ってもらわなければなりません。うちの警備員も参加させます。クーデター派を一掃しましょう」

「一掃って。私たちに銃を撃てと言うのか、あなたは!」

 デニスが大声で言った。

「できれば、そうして頂けるとありがたいです。武器はこちらで用意していますし」

 チェン氏は穏やかな表情を変えずに言った。

「そんなこと……」

 デニスがそう言いかけたところで、リビングに迷彩服の男が入ってきた。セルゲイ・アブラゼだった。


(続く)

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