(二)-7

 アジトは市の北側の白湖という湖の近くにあった。市内からは車やバスで二〇分ほどの距離にある。市の中心部からは遠く離れているので、すぐに軍がやっては来ないだろうと思われた。しかし、ここに軍が足を踏み入れるのも時間の問題だとも考えられた。

 私たちは、すぐにこのアジトを引き払うかどうかについてここの仲間で話し合った。一二時間以内なら大丈夫だろうが、反体制派狩りが明日も続くようなら、間違いなくここも危ない、と言う結論に至った。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る