第4話『昼休みの戦い』

 大トカゲは、跳躍の勢いそのままにその鋭い爪を振り下ろす。

 変身時ならばいざ知らず、今は生身の丸腰女子。抵抗できる手段もなく、律花は身を躱そうと大きく後ろへのけぞった。瞬間、ずるり、と、いやな感触が靴底を撫ぜる。雨で濡れた地面がぬかるんで、律花はバランスを崩す。


 逃げるのも、間に合わない────!


 そう直観した。


 景色がやけに鮮明だ。振り下ろされる大トカゲの鱗の一つ一つ、降りしきる雨粒の一粒一粒が、律花の視界をゆっくりと通り過ぎていく。人間、危機に陥ったときはなんとかって物質が脳内でドバドバ出て、目の前の出来事がゆっくりに見えるらしい。  

 今の律花が体験しているのは、まさにそれだった。


 ああそうか、私は死ぬんだ。


 そんな考えが過ぎり、言葉として、悲鳴として律花の内から飛び出ようとした、その直前。別の声が律花の鼓膜を揺らした。


「ぅおっりゃあああああああっ!」


 ぶん、と。

 空気が動く音がした。

 雨粒が、律花に当たらず弾ける。


 体勢を崩し、今まさに転ばんとしている律花の眼前で、大トカゲがひしゃげて吹き飛んだ。


 声を出す間もなかった。

 全ては、スローモーションのうちの出来事だった。


「いてっ」

 律花が尻もちをついたときには、もう雨粒の一つ一つを区別することはできなくなっていた。二、三度、意図的に瞬きをして、意識がはっきりしているか確かめる。雨が執拗なノックのごとく律花の頬を濡らし、お尻には泥の嫌なぬかるんだ感触が伝わっている。くそったれながら正常だ。きれいなお花畑とか見えてたらやばかったかも。


「大丈夫?」


 頭上から声がした。弾むような、軽やかな声だ。律花は反射的にそちらを見る。

 靴から服から頭から、何から何までオレンジにその身を染め上げた女の子がこちらに左手を差し延べていた。右手には、何か棒状のものを持って肩に担いでいる。


「あ、うん……はい。えっと……ありがとうございます」


 律花はスカートの裾で汚れた手を拭って、差し出された手を掴む。

 よっ、と軽やかにこちらを引き上げた女の子は、見れば見るほどエキセントリックな格好をしていた。


 結い上げられてボリューム120パーセントのアップポニー。

 へそ出しノースリーブのスポーティかつ挑戦的なトップス。

 フリフリにフリフリを重ねまくったガーリッシュスカート。

 全体のオレンジと対比するかのようなパープルのブローチ。


 まさしく、コスプレ衣装にでもなっていそうなその恰好は……


「魔法少女?」


 にしか、見えなかった。


 断じて、断じて、断っておくけれど、律花の魔法少女姿はこんなに露出が多くない。そりゃ、品行方正な着こなし方とは言えないかもしれないけれど、学校指定のブレザー制服を基調にした律花の魔法少女衣装は、少なくともこの女の子のものよりは多少なりとも節操があって落ち着いている。デザインとしては気に入ってはいないけど。


 律花の内心のお断り(誰にだ)を知る由もない女の子は、自身の胸元にあるブローチと同じ。紫色の瞳を爛々と輝かせて頷いた。


「そうだよ! 危ないから、離れてて……ねッ!」


 ぶん、と。

 女の子は肩に担いでいた棒状の何か──ピコピコハンマー?──を大きく振りかぶり、フルスイング。

 いつの間にやら近づいてきていた毛むくじゃらの……ビッグフットのようなネガシグマニオンの顔面にクリーンヒットさせ、先ほどの大トカゲよろしく吹っ飛ばす。


「ギィエエエエエ!?」


 およそ哺乳類として認められるかどうか、ぎりぎりの悲鳴を上げたビッグフット。

 これで一安心、とはならない。

 先ほど吹っ飛ばした大トカゲが体勢を立て直し、向かってきているのだ。一撃食らったからか、先ほどよりも心なしか興奮しているように見える。

「あなたは……」


 そんな状況に見合わず悠長に呟いた律花の問いかけに、けれども女の子は短く、だが律儀に返した。


「ウチはハニー!」


 ターゲットを女の子……ハニーに変えたと思しき大トカゲは、今度は牙をむいて猛進する。

 ハニーはそちらから目を離すことなく、先ほどと同じ台詞を、今度は違う意味で放った。


「危ないから、離れててね!」


 これは当然、ハンマー振るから頭上注意! ということではないだろう。凶暴な怪物がいる中、一般人(と思われている)律花がここにいる事の危険性を提示し、避難を勧告しているのだ。


「でも……」


 律花は言いよどむ。

 彼女、ハニーは魔法少女。ネガシグマニオンと戦う力があることには違いない。それでも、この場は一対二。万が一、不利を取ることもあるかもしれない。それに何より、律花も一応魔法少女だ。目の前で戦っている彼女に対し、『そんじゃ後はよろしく、はいスタコラサッサ』と背を向けることはなんだか後味の良くないような気もした。


 そんな律花の葛藤を留めたのは、ヘアピンとして髪に留まったままのエスだった。


『律花、ハニーの言う通りにゃ。にゃんでかわからんけど、みぃ達は今、変身できにゃい。ここは指示に従うべきにゃ』


 声を潜めているというわけでもないだろうが、心なしかささやき気味に脳内に響いてくるエスの言葉にはっとする。


 そうだ。今、変身できないんだった。だから、こんな状態になってるんじゃないか。


 我ながら間抜けだな、と思うけれど、忘れてたものはしょうがない。もし変身できてたら、大トカゲもビッグフットも一発づつぶん殴って、それで終わりだもんね。


 見れば、ハニーは二匹のネガシグマニオンに対して終始、近づかれては吹き飛ばして、近づかれては吹き飛ばしてを繰り返していた。彼女の持つハンマーは言わずもがな近接武器だ。ガンガン攻めて、ゴンゴン叩くのが正攻法。

 だのに、ハニーが敵と常に一定の距離を取り続けているのは、つまるところ律花を守るためだ。

律花の存在が、彼女の戦いの選択肢を狭めている。

 さすがに、それがわからないほど律花も馬鹿じゃない。


 少しばかり心苦しいが、律花はハニーにこの場を任せ、一旦避難することにした。


「……ごめんっ、逃げます!」


 ハニーは双方向から迫りくる爪牙を軽い身のこなしで躱しながら、弾むように言う。


「オッケー、逃げちゃって!」


 さながら踊るように、鋭く素早く身を躱しながらハンマーをぶん回すハニーを後目に、律花は断腸の思いながらも踵を返し、校舎へと駆け出した。



△▼△▼△▼△



 一方、校舎一階、購買部────


「……でさ、その時まほちゃんがさ」

「ん? 大友、まほちゃんって誰だ? そんな名前の子、一年にいたか?」

「バッカ有真お前、生徒じゃねーよ。センセーだよセンセー。ほら、あの理科系科目全般受け持ってる……」

「……ああ! 初野先生のことか。って、あの人はちゃん付けするようなタイプじゃないだろ」

「そうか? 俺は、この学校で一番かわいいと思うけど」

「確かに初野先生は美人だけど……と、すみません! 焼きそばパン一つ! あと牛乳!」

「あっずりぃぞ有真! おばちゃん! 俺も同じやつ!! え?! 今ので終わり!? 嘘ぉ!?」


 他愛無い馬鹿話をしながら購買の行列に並んでいた有真たちは、購入が終わるや否や、後ろの生徒に押し出されるようにして行列から弾き出された。

 なんだよ、と愚痴る達人をどうどうとなだめ、手に入れた昼食を食べるべく三階の部室へ移動する。


「くっそ~……まさかお前ので最後だったとは。焼きそばパン……」

 焼きそばパンは、陽彩学園購買部の人気ランキング不動のナンバーワン商品だ。憎々しげに有真の買った焼きそばパンを見つめる大友。そんな彼の手元には、ポテサラサンド。購買部人気ランキング圏外。

「まあ、徳だよ、徳。普段の行いじゃね」

「ちぇっ、なんだそりゃ。おい有真、俺を押しのけてゲットしたんだから、俺にも半分くらいはくれよ」

「やらねぇよ、自分の金で買ってんだぞこちとら」

「ケチ! 貧乏性!」

「はいはいケチで結構」

「お前なんてただの鬼だ! 悪魔だ!」

「はいはい鬼でも悪魔でも結構。悪魔は意地悪なので焼きそばパンはあげませーん」

「人でなし! シスコン!」

「はいはい人でな……いや、シスコンではねえよ!」

「おお?」

「やんのか!?」

「おお!?」


 ぐう。

 焼きそばパンをめぐる不毛な争いは一触即発の様相を呈しかけたものの、部室棟に到着したと同時に鳴った腹の音で互いが矛を収める結果となった。

腹が減っては戦はできぬ。昼食を目前にした空腹の前には、育ち盛りの男子高校生はあまりにも無力だった。

 

 ボランティア部室前には木製の看板が落ちている。何かの拍子に落下したのだろう。掠れがすれの墨文字で『オカルト部』と書かれたそれを拾い上げた有真は、そのままひっくり返して部室のドアに掛けた。風情のないワープロ文字の『ボランティア部』が有真たちを迎える。

 ボランティア部は人数不足で廃部になりかけていたオカルト部をのっとり……もとい、再利用したインスタントな部室だ。もっとも、ボランティア部だって総部員五名、うち幽霊部員二名のささやかな団体ではあるのだが。


「焼きそばパンをくれなかった裏切り者への粛清はまた後にしてやるとして……」


 いつもの調子で部室のドアを開けた達人が沈黙する。

 そして、無言のままドアをゆっくりと閉めた。


「? おい大友、どうした?」

 こちらを振り返った大友の表情は暗い。顔面蒼白だ。まるで、何か恐ろしいものでも見たかのような。

 達人は小声で言う。

「邪鬼が……邪鬼がおるわ……」

「邪鬼?」

 意味が解らず、繰り返す有真だったが、すぐにその疑問は払拭される。


 バァン!


 閉められたドアが勢いよく開く。


 ガタン! 


 せっかく掛けなおしたばかりの看板が床に落ちる。


 ぬぅっ


 と、室内から白い腕が伸びてきて。


「ヒィッ」


 短く引き攣った悲鳴を上げて達人が室内に引き込まれる。


 一瞬の出来事だった。

 全てを察した有真は、看板を再び掛けなおして、部室から離れようと一歩遠ざかる。

「おい」

 室内から放たれた、底冷えするような低い一声が有真を呼び留める。

「は、はい」

「何ちんたらしてんだ。お前も来るんだよ」

「はい……」


 邪鬼の呼びかけは絶対だ。

 ただの鬼は、邪鬼には敵わない。




「あたし言ったよな?」

 長机と言う名の玉座に座する邪鬼……こと、緒島は言った。

 表情こそ普段とあまり変わらないが、その声に込められた怒気は凄まじい。首元に手をかけられているような威圧感すらある。実際、邪鬼捜索部隊先遣隊長を務めた達人の首元には、緒島の腕がきつく絡みついていた。緒島の豊かな胸に達人の頭が当たっているが、あんな風にヘッドロックをかけられている状態では正直全然羨ましくない。


「なあ? あたし、なんて言ったっけ? 覚えてる?」

 問われ、答える。

「危ないから、面白半分じゃなくても商店街には行くなって……」

「そうだよな、よーく覚えてるじゃないか、関心関心」


 緒島は笑みを浮かべる。

 それと同時に、達人の表情が苦悶に歪んだ。

 表情とは裏腹に、腕には力が込められている。


「じゃあ、あたしの言ったこと覚えてるのに、なんで行った? それも、あたしに嘘ついてまで」

「それは……」

 答えに窮する。そう言われてしまえば、何も言い返せない。


 緒島の顔から、笑みが消える。

 それと同時に、達人は激しくもがく。

 腕には相当な力が込められている。


 沈黙する有真に、緒島は言う。


「あたしはさぁ、かわいいかわいい後輩くんたちのためを思って言ったんだぜ。その、先輩のありがた~い忠告を無視した結果、どうなった?」


 緒島の表情は変わらない。

 達人の表情も変わらない。白目のままだ。……気絶してないか、これ?

 腕の力が緩められ、綺麗に意識の落ちた達人は、そのまま体も床に落ちた。


「こうなったはずだ。そうだろ?」

 床に落ちている(落とした)達人を指さす緒島。

「それは……そうなんですが……」

 まさに、今、目の前で伸びている達人の姿は、昨日の光景の再放送のようだった。

「それだけじゃない。こいつは大怪我を負った」

「はい」

「お前らがそうならなかったのは、単なる幸運だからな? 徳ってやつか、日頃の行いの良さに感謝しとくんだな」


 緒島の言葉は正しい。


 あの状況、もしエスがいなければ。変身していなければ。

 達人だけでなく、有真や律花も同じく大怪我を負っていたかもしれない。その可能性は十分に考えられる。というか、そうなっていただろう。可能性の話をするのなら、そのまま死んでしまうこともありえた話だ。

 今更になって、有真は反省する。単なる好奇心や薄い正義感で行動したのは短慮であったと。三人とも無事ではあるが、それはあくまでも結果論だ。


「いや、ほんと、すみませんでし……」


 待てよ。

 有真はふと、違和感を感じる。

 今の会話、何かおかしいような……。


 確かに、達人は昨日大怪我を負った。それは事実だ。けれど、どういうわけか今日になってそれは軽傷になっていた。達人の怪我が大きかったことを知るのは、あの場にいたものだけのはず。

 昨日有真たちと共にいなかった緒島が、達人の怪我の大きさについて言及するのは不可能なはずだ。


 一体、何故……?


 考え込む有真の思考を留めるように、緒島は話す。


「わかりゃいいんだよ、わかりゃ。あたしはお前らに怪我なんてして欲しくない。お前らがもし学校に通えなくなるようなことになったら……」

「部長……」


 目を伏せ、真剣にそう語る緒島に心打たれる。

 そうだ。普段は適当な事ばかりだし、怒るときはヘッドロックも辞さない緒島部長だが、その心根はこんなにも優しい。


「部室、使えなくなるじゃん」

「部長……」

「だって、活動部員が二人以下だと、あたしの部室没収されるし」


 前言撤回。

 有真たちを心配したのは部室のためかい。そもそも、部室は学校のものだ。「あたしの」じゃない。

 緒島の優しさは本物だ(たぶん)。有真らへの忠告も、純粋な心配からでた言葉ではあるのだろう(きっと)。

 ただ、それ以上に彼女は適当だ。

 緒島愛理という人間と接するにおいて、あらゆる感情や思考は「適当さ」の前に簡単に瓦解する。

 それが、彼女と出会って数ヶ月の有真が導き出し、そして今改めて確認した結論だ。


 ふう、とため息を吐く。

 そういえばさっき、何を考えていたんだっけ? なにか、変な違和感を感じていたような……


 有真がその違和感の正体を記憶の引き出しから探り当てんと腕を組んだ時。


 バァン! ガタン!


 勢いよく部室のドアが開かれた。その衝撃で、「うわぁ!」と白目をむいて倒れていた達人が飛び起きる。


 入ってきたのは、律花だった。


「律花!?」


 律花はずぶ濡れで、ずいぶん呼吸が上がっているようだった。

 この雨の中、傘もささずに外から走ってきたような。

 

「有真、いた」

 律花は息を整えるのもほどほどに、有真の腕を引っ掴む。

「お、おい、律花……」

 突然の出来事に混乱する有真をよそに、律花は強引に有真を引っ張って、今開けたばかりのドアをくぐる。

「緒島先輩、弟借りてくんで!」

「ああ、いいぞ」

「あの、ちょっ……」

 律花は緒島が返答し終わる前に、有真の手を引いて駆け出していた。

 食べられなかった焼きそばパンと落ちたままの部看板、それと掴み損ねた違和感を部室に残し、有真は律花に引かれるまま走る。


背後で、「焼きそばパンもーらい」という聞き捨てならないセリフが聞こえたが、部室はみるみる遠ざかる。畜生、くれてやるよこの野郎! 味わって食えよ!




 心中で毒づきながら、律花の方に意識を向ける。

 見れば、手やスカートなど、ところどころに泥汚れがついている。

「おい、何だってんだよ、いきなり? 何があった!」

「ネガシグ! と……魔法少女がいて、逃げてきた!」

「は!? どういうことなんだよ、全然わかんねえ!」

「いいから、速く! あの子を助けに行かなくちゃ!」

「あの子って誰だよ!? 分かるように説明しろよ!」

 律花は随分と焦っており、まともな会話が成り立たない。

 有真は律花の髪にヘアピンが付いていることを認め、叫んだ。

「おい、エス! どういうことだよ? 何があった!」

『学校に二体のネガシグマニオンが来てて、今、別の魔法少女が戦ってるにゃ』

「律花以外にも魔法少女がいるのか……」

『みぃも初めて見たにゃ。でも、問題はそこじゃないにゃ』

「?」

『何故か……律花の変身ができないのにゃ』

「なんだって!?」

 律花は昨日、エスと契約して魔法少女になった。だから、エスと一緒にいれば変身できるはずではなかったのか。それとも、変身は一回限りのもの? いや、だとすれば、エスに理由がわからない訳がない。

 

 有真たちは校舎を出る。

 朝よりは勢いが弱まったものの、止む気配のない雨が有真たちを濡らす。水たまりを蹴散らし、律花と、律花に手を引かれた有真は共に駆ける。


 ともかくだ。


「おい、律花!」

「なに!?」

「もう一回やってみろ!」


 わからないなら、原因を突き止めねば。


「何を!?」

「変身だよ! 前はどうやった!?」

「知らないよ! 叫んだだけだもん!」

「じゃあ叫べ!」

「前と同じ!?」

「そうだ!」


「「変身」」「でいい!!」「でいいの!?」


 焦り、走り、段々と食い気味に早くなっていった言葉の応酬の中で、二人の声が重なる。


 瞬間、まばゆい光が広がり、渦を巻いた。

 曇天の雨下、小さな太陽が地上に顕れる。

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