第15話 戦いの行方(2)

「殺す気で……って、そんなことしたらトタルさんが死んじゃうよ!」

 リズが叫んだが、俺とカルクはそうは思ってはいなかった。

『殺す気で来い』と言わない限り、この戦いは続くのだろう。

 そして、この戦いの終わりが見えてきたこともわかった。

 どちらかが、瀕死になるまでだ。

 そして、トタルは村の神と呼ばれるほどの人間。

 最強とはいえ、アマンダのことが心配になってくる。

 アマンダ……。

「でぃやあああああああああ」

 トタルは得意の足技に加え、拳での攻撃も繰り出してきた。

 アマンダはその攻撃、ひとつひとつを手足で弾いていく。

「はは。アマゾニスは確かに強い人種だが、私もさすがにトタルとは戦いたくないな……」

 カルクは苦笑いをしながら呟いた。

 アマゾニスは戦闘民族に部類されるのだろうが、みんな穏やかな人たちだ。

 戦いを常に欲しているティヌマ村とは相性が悪いのかもしれない。

「アマンダ、また、さっきみたいな攻撃を仕掛けてくれ! 私はさっきのダメージが忘れられないんだ! もう一度私に痛みを与えてくれ!」

 トタルは喜びながら戦った。

「あれが……戦いの神の姿なのか……。どういう感覚なんだ……?」

 強ければ強いヤツほど嬉しくなるということか。

 ある意味トタルというこの村の神は無敵とも言えるであろう。

 命より戦いを優先する神とアマンダは戦っているというのか。


 

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ワイルドワイフ 種族最強の奥さん 身長2メートル奥さんと全体的に筋肉女子しかいない村でスローライフするお話 シイカ @shiita

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