第6話 現代
女だからと教育機会を与えられなかった妻の想いもあり、娘の教育には情熱を注いで、大学まで行かせてやった。
希望する商社に入社し、そこで出会った伴侶と将来は海外赴任でもするのかと想像していた。
それなのにという気持ちから、娘の彼氏を受け入れられなかった。
学歴なんて関係無いと言うが、頭では分かっている。
でも可愛い娘の相手ならそう簡単な話では無い。
その後何度か我が家へ彼氏が遊びに来る様になった。
最初はパーカーにジーンズだった服装が、今日はスーツを着ていやがる。
どういうつもりだ。
「僕は娘さんと結婚したいと考えています。」
「何故なのかね。」
「なぜって
娘が妻の若い頃とそっくりな笑顔で聞いてくる。
「僕の人生に娘さんが必要だからです。」
「1つ聞いてもいいか?」
「はい。」
「君は何故高卒なんだね?」
「僕が高校3年生の時に父親の工場が倒産しまして、なんとか高校は出して貰えまた。しかし、大学には行かせてやれないと両親に謝られました。」
「パパ、彼ね高校では学年トップだったんだよ!」
「言いにくい事を言わせてしまったね。」
「いえ、何でも聞いて下さい。」
「それなら聞くが、君の将来の夢は何だね?」
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