ちょっぴり悩んだ珍しい日
家に帰るまでに怒ってた気持ちが小さくなった私は、なんで怒っちゃったんだろうと少し後悔した。
あの時はガッカリした気持ちで頭がいっぱいになって、折角良い点数取れて嬉しかったのに、なんでこんな気持ちにされないといけないの?ってなっちゃたけど、今考えると別に皇雅君が意地悪をしたわけじゃなかったのに…。
ママの「おかえり」に小さく「ただいま…」を返して二階の自分の部屋に向かう。心配したのかリビングからママが近づいて来る音が聞こえたけど、一人になりたかったので聞こえてない振りをした。
(皇雅君に悪いことしちゃったなぁ…きっと怒ってるよね…)
制服に皺がつくから良くないのは解ってたけど、私はそのままベッドに飛び込んだ。目を瞑りながら、枕にギュッと顔を押し付けて溜息を吐く。
どう考えたって、何度考えたって、悪いのは私だった。
あれだけ勉強頑張ったんだから、きっと皇雅君の成績に少しは追いつけたはずだって勝手に期待して、期待通りにならなくて、ガッカリして怒っちゃった。
皇雅君は自分の成績表を見せてくれただけーー本当だったら、良かったね!とか、凄い!流石!とか言って褒めるべきだったのに…。
ゴロンと寝返りを打って天井を見上げる。小さい時に「星が好き」って言った私の為にパパが買ってくれた星が描かれた天井は電気を消すとキラキラと光る。
いつも綺麗だなと思うけど、嫌なことがあった時とかに見ると何だか、嬉しかった時の気持ちを思い出して、ぐっすり眠れるから今でも大好きな天井だった。
でも、今日は全然気持ちが晴れなかった。モヤモヤとして嫌な気持ちが続いて、思わず溜息が溢れた。
私はムクリと起き上がり、ベッドから降りる。とりあえず着替えようと思った。それに自分で考えていても、あんまり良いようにはならないなとーー。
(悪いと思ったことは謝ろう。モヤモヤした気持ちはママに相談しよう)
それに皇雅君は謝って怒るような人じゃないと思う。苦笑されたり、小言は言われそうな気がするけど…。
なんだか、そう思うと私は少し気が楽になった気がした。ずっと暗いのは私には似合わないなってーー。
部屋着に着替えてリビングに向かって、心配そうなママと話した。ママとの話が終わる頃には心配な気持ちは殆ど無くなっていた。
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