第1楽章 Andante 歩くように18
電車で泣きながら帰った夜。
実家では、家族皆がもう寝ていて、時計を見ると1時を過ぎていた。
なんだか、自分が臭い...
急いで浴室へ向かう。
すると、驚いたことにズボンに血が染みていた。
え、、、。
そんなにひどいの。どうしよう。
シャワーを出てから生理用ナプキンを念の為につけて寝てみよう・・・。
いろんなことがあったな・・・。
え、
大丈夫なのか・・・?
ねぇ、大丈夫なの・・・?
その夜、私は全く寝れそうになかったし、ひろくんのことを思い出してはどう償えばいいか、何を行動すればいいのか、、、全くわからず、深夜2時だというのに、まだ1回しかあったこともない、だけど自分のことを気に入ってくれている40歳の女性先輩にLINEで相談、すぐに既読をつけてくれた。
「電話する?」
そういわれて、すぐに電話をした。
「実は、マッチングアプリをしていたんです。
1人の男性と付き合おうとゴールはまじかだったのですが、その傍ら、
自分は経営者の男性にも同時に惹かれてしまっていたようで、
今日たまたま会えたのであったら、そのまま、初めて、その、してしまったんです」
ここまで話すと、自然と涙がボロボロと流れた。
ひろくん、ごめん。
こんな自分でごめん。
もう、到底自分はひろくんにはふさわしくない。
断らないといけない。
そんな気持ちが溢れていた。
「うんうん、なるほどなるほど。
大丈夫だった?痛かった?」
なんでそんなことがわかるんだろう!
と、伝えてもいないのにわかってもらえたことの優しさに、また涙が止まらない。
ただ、私が今気になっているのは、ひろくんにどう連絡をするかだった。
先輩は、経営者のその人と付き合うなら、あなたがわかっているように少し覚悟を持って、幾人か他に女性がいるかもしれないし本気の恋愛じゃないことだけは覚悟して付き合わないといけないよ、とアドバイスをくれた。
そして、ひろくんについては、ユウは全部を丁寧に話して終わりにしようとしているけれど、それはね、相手が傷つくのを長引かせるの。だから、きっぱり切り捨てるように「やっぱり付き合えない。LINEもこれで終わりにする」ことだけ伝えなさい、感謝とか、本当は付き合いたかったとか、そういうのは伝えちゃダメ。
わかった?、と。
何にもわからなかった・・・。
この時は、そんなひどいことが到底できるとは思えなかった。
「ごめん、なんで・・・急に冷たい連絡が来て、ブロックなんかされたら私傷ついちゃうよ・・・。とにかく、送る文章を考えてみる。そうしたら確認していただけますか。」
わかった、と言ってくれて、その日は電話をきった。
気づけば3時間も相談していて、涙や鼻水なんかをぬぐっていたらティッシュの山がとんでもないことになっていた。
自分がしていることって最低じゃん。
二股かけたってことでしょ?
なんで、気になっちゃったんだろう。
なんで・・・。
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