第1楽章 Andante 歩くように⑩

こんなに真っ直ぐな告白は、生まれて人生初めてだった。

車の中。

相手は、高速道路を運転中。


「どうかな、、、返事は焦らずに待つよ。」


「うん、ありがとう。」


「ちなみに、他に男性に会う予定はあるの?」


「今週で全部かたをつけるつもりなんです。あと1人、会う予定があるかな。」


「そう・・・」


・・・ドキドキドギマギ!

実際問題、こんな女子扱いされたのなんて、マッチングアプリ初めて以来です!ありがとう!マッチングアプリ!もうこれだけで私十分です!!!!


「まだ、帰したくないな・・・。最後に少しだけカフェによっちゃだめ?」

「え、いいですよ」


そういって、カフェに来たがなんとなしに空気が重い。

「あのさ、ユウにはわからないかもしれないけど、マッチングアプリっていい人ばかりじゃないんだよ、わかる?」


「たとえば・・・?」


「うーん、たとえば、初めての男の車に本当はのっちゃだめ。まぁ俺もダメだなぁ。何されるかわからないでしょ?」


「うん、、、なるほど。(そんな私を襲ってくるようなやついるか。と本気で思う。)」


「あとね、女子側だって何かを買わせようとしたり、本当、変なやつばっかだよ。ナマでいれてほしい、とか変なこと言うやつだっているんだよ」


「はぁ。。。(言っていることがわかっていないレベル−100の当時の自分)。」


「次に会う人はさ、どんなやつなの。」


「うーん、結構年上の人。」


「俺は、今ユウのどのくらいの立場なんだろうなぁ。

俺にとって、ユウは本当に久しぶりに大好きな女性なんだ。これから、彼女になる人だって思っているんだ。だから、、、ああ、今は聞きたくないし聞かないけれど、早くそいつと会って心が決まったら必ず連絡ちょうだいね。」


「うん、わかった。」


こんな会話、したことなかったし、

その彼の目は、これでもかってくらいウッルウルにうるんでて、ぐっときた。

私は、自分の気持ちが正確には・・・わからなかった。


嫌いじゃない。

でも、この人の彼女になる?

いや、彼女になったら何か変わるのか?(←まじでレベル−100)

これさ、友達となんの違いがあるんだろう・・・。

なんか友情と恋愛の違いがわからないな・・・。

このまま友達なのと彼女になるのと何が変わるんだろう・・・・。


そんなもやもやを抱えながら、最後の1人に会うことになる。


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