第1楽章 Andante 歩くように⑦

マッチングアプリで、何気なく5回以上のラリーがあった人たちは、

たいてい「LINEを交換しようよ〜」とか、「遊びに行かない?」とか言ってくれる。


その中で会ってみたいかも、と思えたのは以下の4人だった。

28歳 営業職 りゅうさん

31歳 自衛官 ひろくん

34歳 お菓子職人 りょうさん

37歳 経営者 こうじさん


言っておくが、当時、私は22歳である。

なぜにこんな歳上ばかり・・・(苦笑)。よっぽど顔がダメだったんだろうなぁ、と今では思う。結局プロフにあげてた顔写真は、ノーメイクを写真で加工しただけのものだったし。それでも、「いいね!」をつけてくれる男性陣の気持ちはわからなかった。(今では大方想像つくけどな、、、!)


マッチングアプリを初めて20日が経とうとしていた頃だ。

ここから1週間でこの4人に会う計画を立てた。

もう月末には、付き合おうが付き合わまいがアプリを消そうと決めていた。


そうして、迎えた最初の相手は、31歳、ひろくん!

自衛官とは、大体の勤務時間が綺麗に決まっている。朝6時、昼、12時ごろ、夜23時消灯。だから、自然にLINEのやりとりの時間がわかってきて、たまにリアルタイムでチャットするときなんかもあって、少しキュンキュンするような毎日にしてくれた。「仕事がんばってね」とか、「どこいく?」とか。たいていそんな話を続けていて、有力候補ナンバーワン!


さて、お互いの居住地の中間で会うことにした私たちは、スタバで軽く1、2時間お話しよう、という話になっていた。「まだ、最初だし緊張するだろうから。お昼の13時ごろ、軽くしゃべろう」と言ってくれたのだった。


10分前についた私は、まぁ若干ソワソワ?してたかな・・・。(いや、だいぶしてただろう)でも、時間になっても彼がくることはなく、心はざわざわ。


え、、、 うそ、もしかして外見違いすぎだろ、やってらんねー。とか思われた?!

もしかして来ないパターン!?


しかし、5分後、自転車で普通に現れた。

「おまたせー!」


おお、、、遅刻した割には普通の挨拶やん・・・。

もやもやはしつつ、すっかりさっきの不安が消えた私。


LINEでは、「あったら手繋ぎとかしたいね」なんて言ってたが、果たして・・・。いや、まだ早すぎるか〜!なんて思い過ごしながら、明らかに体格の良い男性の横で歩くだけでも、ドキドキ、、、!

「小さくてかわいいね。」

「いえいえ、、、ひろくんは、背が高いですね。それに筋肉がすごそう・・・」

「まぁ、鍛えてるからね、、ほら!」

と、腕の筋肉を見せてくれながらスタバへ。


まぁ、話した内容と言えば、自分の家族のこと、生い立ち、趣味、今までの恋愛経験・・・。幸いなことに、お互い恋愛経験は0だった。これもこれで不安だが。


最後に、「手を繋いでいい、、、?」とドギマギ言われて、「うん。いいよ」と、答えて・・・。


「短いかもしれないけれど、最初はこれくらいの方がいいと思ったんだ。また、遊びに行こう!」


と、言ってくれて改札口にて、解散。


はぁ。。。こんなのがあと3回も続くのか、、、。

やっていけるかしら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る