第七話 ?????

〇美野里 視点

 

「ほ、本当なの?あの人のこと......」

『本当だよ。美野里ちゃんのお兄さんは、そういう人なの』


 私にメッセージをくれたのは、クラスメイトの雪ちゃん。

 たまに話しかけてくれるんだけど、その時とは、なんだか雰囲気が違う気がする。


「じゃ、じゃあ、他にも被害が遭っているっていうこと......!?」

『正確な人数は分からないんだけどね』

「私だけじゃ......なかったんだ」

『うん。だから、これ以上被害者を増やさないように、私に協力してほしいの!』

「......ごめんなさい。それはできない」

『どうして?』

「だって、そんなことしたら、私の家族が壊れちゃうかもしれないから......だから」

『分かったよ。......でももし、気が変わったら、また連絡してね。あと、このことは誰にも言わないようにね』


 通話が切れた音がスマホから鳴っていた。


 

 ごめんなさい。

 でも、駄目なの。

 そんな勇気、私にはないの。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る