第一話 ?????
少女は、今日も襲われた────精神的に耐えられる限界を、既に超えていた。
だから、少女の手には握られていたのだ……刃が出たカッターナイフが。そしてその刃先を喉に向け、ゆっくりと近づけ始める────この状況から脱するために。
あと数ミリ、死へと向かおうとする彼女の手は……その数ミリのところで止まってしまった。
勇気が出なかったのだ……死ぬ勇気が。
少女は泣いた。泣いて、泣いて、泣いて……。
そして、少女は窓から見える月を見て願った。
「誰か……私を……殺して……」
少女は、今日も死ぬことが出来なかった。
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