第零話 ?????
少女はスマホを操作していた。自分で支払いはしていくという約束で契約して以来、クラスメイトとの交流の必需品となっている。
中でも、大人気のメッセージアプリを使ってよく話をしているのだが……電話は出来ないことで、誘いを断り続けているので、申し訳ない気持ちになってしまう。
現在も、そのメッセージアプリを開いているのだが、ただ、いつもとは違い、何か会話をしているわけではない。メッセージを入力して、送らずに消してを繰り返している。
『たすけて』
その一言を送信しようとして、躊躇ってしまう。信じてもらえるか分からないし、何か変わると思えないし……完全な解決なんて最初から見込めないから────希望を持てないから、少女は送信ボタンを押せずにいる。
こんなことを、ここ一週間ずっと続けていた。
この日も諦めて、スマホを手放し、暗い部屋で天井を見つめる。そして、自分が助かる方法について模索してみる……が、何も思いつかない。
違う、思いついてはいるのだが、それを決行することは出来ないのだ。なぜなら、それは少女が恐れる自分の居場所を失くすことに繋がってしまうから……。
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