第3話 貸本屋

 今の若い人や、都会に住んでる人は知らないようだが、あの頃、読みたい漫画があれば貸本屋に行った。


 貸本屋とは文字通り本を貸す店で、一日借りても何十円という世界だ。

 うちの近所にあった古びた小さな店には、小説、雑誌、漫画といった色々な種類の本が置いてあった。


 少年漫画や、普段買わない雑誌の漫画なども、ここで借りたり、立ち読みしたりした。貸本屋がなければ、少年漫画など絶対に読まなかったし、美内すずえ、萩尾望都、竹宮惠子などの名作はここで発掘したようなものだ。


 今は、漫画やアニメも文化として尊重されているが、やっぱり「大人のくせに漫画なんて読むのか」と見下す人がいる。

 そんな時は「私は漫画世代だから」と堂々と宣言するようにしている。だからどうしたという感じだが、言われた方はなんとなく言葉につまるので、ぜひ試してみて欲しい。

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