第2話 盆踊り
昭和の子供会では、バレーボール大会、キャンプ、盆踊り、クリスマス大会など、一年中なにかしらのイベントをやっていて、全員参加するのが当たり前だった。
今の子供達には考えられないくらい束縛されていたとも言える。ゲームも携帯もない時代だからこそ出来たことかもしれない。
町内会の盆踊りの前には、毎晩のように踊りの特訓を受けた。
大変だったが、暗くなる頃に集まるのも、浴衣を着てレコードに合わせて踊るのも、なんだかドキドキして楽しかった。
踊りを習っている子の真似をして、いい気分で踊っていたら「なよなよして気持ち悪い」と姉に言われたのはショックだったが……。
祭りの何日か前から、公園にやぐらが組まれ、町内会の露店が徐々に増えていくのを、子供達はそわそわしながら遠巻きに見ていた。
そして当日、やぐらの上に太鼓が置かれ、公園中の赤い提灯に灯りがともると、夜の公園が別世界に変わった。
いよいよ本番。大量音で曲が流れ、太鼓の音が鳴り響く。
子供達が率先して踊りだすと、見ていた人達も少しずつ輪の中に入り、子供達の真似をして踊り始める。
どんどん踊る人が増え、にぎやかになり、笑い声が溢れていく。
踊りっぱなしで疲れていても楽しかった。みんなに褒められて、誇らしい気持ちでいっぱいになったのを覚えている。
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