顔合わせ
Rihitoさんによる開会式はまだ続いていた。注意事項や部屋について説明された。
「勘違いしないようにして欲しいのですが、このサバイバルだけで優勝者は決まりません。この2週間で決まるのは、あくまで通過者です。他にも何回かサバイバルを行い、その中の通過者から優勝が決まります。」
部屋にはピアノがあって何時でも弾いて良いらしい。
また、ゲームの時間を守りさえすれば生活は自由。参加者同士の交流も自由で、部屋の出入りも許可された。
部屋にはiPadが置いてあり、指示はiPadを通じて送られるらしい。
「これで開会式を終わります。私は、ここから出ますので自己紹介等して下さい。顔合わせが終了したら部屋へ行き、今日の予定を確認してください。では。」
Rihitoさんが出て行くと、皆顔を見合わせた。
しばらく沈黙が続いた。
どうしよう、そう思っていたとき、
「No1、浜崎輝です。14歳中学2年生です。夏休みで暇だったし、将来ピアニストになりたいと思っているから来ました。よろしく願いしまーす。」
と、輝くんが最初に名乗り出てくれた。
「エントリーナンバー順で良いんじゃないですか。そっちの方が分かりやすいし。って多分1番年下の俺がすみません・・・。」
更に遠慮しながらも提案してくれた。
皆が頷いて
「じゃあ、次は私ですね。No2、山下朱里です。21歳で大学4年生。私はピアニスト志望だから来ました。よろしくお願いします。」
「No3、野々垣香織です。17歳で高校2年生です。とにかく有名になりたくて来ました。よろしくお願いします。」
「No4、木下美羽です。23歳です。ピアニスト志望だから来ました。よろしくお願いします。」
「No5、佐藤有紀です。62歳です。お恥ずかしながら暮らしが大変で、お金が欲しくて来ました。」
「No6、川口秀です。38歳です。ブラック企業から抜け出すために来ました。」
「No7、宮木清香です。33歳です。音楽系の会社を起業するためにお金が必要できました。」
ついに自分の番がやってきた。
「No8、柴田琴音です。16歳で高校1年生です。ピアノを続けるためにお金が必要だから来ました。」
輝くんは凜としてる。
朱里さんはスタイル抜群。
香織さんは私と年齢が近いけれども私よりずっと大人っぽい。
美羽さんはモデルのように美人。
有紀さんは身長が小さくて、可愛らしい。
秀さんは声が低くてかっこいい。
清香さんはしっかり者のイメージ。
みんな、ピアノが上手そう。
しかも4人はピアニスト志望。
この中から、通過者が決まる。
通過しないと、優勝は出来ない。
お金は貰えないんだ。
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