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 深夜、ジャンヌはパソコンの画面を見ていた。

 検索ワードは『復讐』だ。

 ネットに挙げても差し障りのない(仕返し)のエピソードの数々。

 復讐代行業者の詐欺に対する相談。

 嘘か誠か分からぬが、借金が原因で家族を殺された復讐に、犯人に違いないと思う男を殺したという、打ち明け話。

 ハンムラビ法典や聖書に記されている『目には目を。歯には歯を』の内容。

 さらに検索を続けると、彼女が住む久留米市にある小さな店の広告を見つけた。そしてジャンヌの目は、その画面に紹介されている、ある呪われた商品に釘付けになったのだ。

 ブラッククロス。

 恐ろしい凶器だ。

「貯金をはたけば、買えない値段じゃない」

 そう彼女はつぶやいていた。

 ブラッククロス。

 それはこういう謳い文句で売られていた。


【誰も誰かを殺すことは許されない。ただそれを身に着けている者以外は】

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