幼女と幼男は愉悦を貪りたい③モナ編
5日目
「モナ先生、こいつの鞄から僕達の教科書が出てきました」
3人の内の体格が良い幼男が少年を指さし言った。
「先生、私も昨日空き教室に連れ込まれて犯されそうになりました」
続いて、1番口が悪い幼女。
「生徒、僕が貸してたお金は使ったから返さないって言われました」
最後にひょろっとした幼男。
(ぷぷぷ、ちょーうけるんですけど)
思わず笑ってしまったモナ。少年を虐めている3人が、朝一番で挙って被害報告を訴えかけてきたのだ。
「へえ。それで? ふふ」
モナは笑いが込み上げてくる様子だ。
「これだけのことをしたんです。学園から追い出すべきだと考えます」
「ふーん」
「ふーんって、ちゃんと聞いてますか? 犯されそうになったんですよ?」
(いやいや。この中で1番強そうなんですけどっ)
「ええ。ごめんね。聞いてたよ、講師達皆で話し合うから、それまで待てるよね?」
「ええ。皆どー思う? 直ぐがいーだろ?」
幼女が生徒全員へ問いかけた。
――シーンッ
――バッ
「おい、な、なんだよ、なんだお前達、その目はっ」
問いかけられた生徒全員が、光を失った真っ黒な目で、無表情で「バッ」と首を振り一斉に幼女を見つめ続けた。
「ちっ……」
幼女は舌打ちをした。
「はいはい。ちゃんと話しておくからまたね」
6日目
モナは講師全員に向けて、屋内大講堂へ全員集めるよう指示を出した。勿論、講師陣含めての話である。
――ガヤガヤ
――ざわざわ
モナは円形状の講堂のど真ん中にある、演台前で静かになるのを待っている。
「静かにしなさい。モナ先生からの話を聴きなさい」
偉そうにしていた講師が、生徒達を静める。モナは生徒も講師も名前は覚えていなのだけれど。今更と言えば今さらなのであろう。
「はぁい♡モナでーす。今から皆に聴いて貰いたい話があるからね、ちゃんと聴くんだよ? ぷぷっ」
――シーンっ
――――――――――
「おい、ビータノー。あの講師に見られて何ニヤついてたんだぁ? あぁ?」
――ドゴォン
――バキッ
「ゴーダー、また脱がせて晒し者にしよーぜっ」
「ネース、良いなそれ、シズーリちゃんも見たいだろ? 此奴のアレ」
「はぁ? 気持ちわりーっ。糞見てぇなもん見せつけてんじゃねーよ、殺すぞっ」
「おぃ、早く死ねよ。ゴミのビータノー! ってかよ、くせぇしきめーんだよ、あぁ、見てるだけでイライラしてくるなぁ、てめーはよぉ! さっさとこの街から消えれっ」
――ぺっ
「シズーリちゃん、こえぇ。本当になんで死なないの? 生きてる価値ないだろ、ほんとに屑やろーだな。俺なら耐えられねーよ! ガハハ」
「ってかさ、俺たちで無理矢理追い出しちゃえばいんじゃね? ゴーダー。講師共に色々適当なこと言ってさ、退学にさせちゃえば?」
「良いこと言うようになったじゃねーかよ、おめぇにも、玉ついてたんだな、ネース」
――ギャハハッ
――ドコッ
――バシャーッ
――――――――――
――シーンっ
「はい。ご清聴ありがとうね、皆。今の何か分かるよね?」
「「「……………」」」
「あれれー? 先生方も分からないのかなあ?」
「「「……………」」」
「モナ先生、今のはいったい?」
「ふーん。まぁ、いいや。えーと名前忘れちゃったけど、あそこの3人の声だよ?」
モナは虐めの主犯達を指差す。すると、全員が一斉に彼達を見つめた。
暫くすると、1人の生徒の「殺せっ」の声を皮切りに、それは次第にシュプレヒコールへと様変わりしていく。
――殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ
「キャーっ」
幼女が耳を抑えて蹲る。
「なんだよ、これ、おいっ! 黙れっ!」
幼男が叫ぶ。
――殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ殺せっ殺せっ殺せっ虐めっ許すなっ
「コラお前達っ! 静かにするんだっ!」
モナは呟く。「今叫んだのが学園長だったかしら? 確か偉い人なのは間違い無かっはず」と。
――シーンっ
「あら、先生。ありがとう♡皆も静かにしてくれてありがとう、取り敢えず、あなた達の総意はわかったんだけれどね? 何言ってるのかなあ? と、モナちゃんは思うのですよ」
――ざわざわ
「はいはい。静かにしてね? まだモナちゃん話してるからね? 先生? ちょっと此方に来て下さる?」
モナが先程、場を静かにさせた偉い講師を呼びつけた。
「ありがと」
――ぐちゃぐちゃ
――ベキッベキッ
――きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあっ!
講堂が一気に混乱と恐怖を埋めつくし、それぞれが右往左往と逃げ惑う。
何故なら、モナは先程の講師の頭を片手で捻り潰し、首から上は見る影も無くなったからであった。
――――――
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