魔女裁判で淫魔は雇われる『後語り』⑤

 後日談。


 復讐代行事務所で働く事となった『淫魔リリー』が、吊るされそうになっていたあの件。憲兵ギルドのレナードが捕縛した全員から聴取し出た結論は、例の拘束具が、やはり自由を奪う特殊な器具であったのではないか。との事だ。まぁ、わたしの昔の知識の中にたまたまあったから知り得た事ではあったけれど、傍聴人が投げた物の中には、鉄の塊等も見つかった事もあり、暁の愚連隊は即時解散。企画側のメンバーは投獄、それ以外は強制労働で纏まったそうだ。それと、あの時の衝撃が強かったのか、今のところ、レナードはリリーについては忘れている様子だ。


 リリーが彼女達に殺されそうになった理由は、嫉妬なのか流行病だったのか、元裁判長を呼び寄せないことには分からないけれど。今となっては正直どうでも良い事だ。


 元裁判長に勢いで死霊にしてしまったのは、判断ミスなのか悩みどころではあるけれど、該当のさまざまな器具が増えてき出すと、流行病からの矛先は今まで以上に大変な事になる事を予測するのは容易である。つまり、追放どころかさっさと処分でもされた日には商売上がったり。優秀な死霊が増やせないのだ。

 そして、件のダンジョンとやらも少し調べて見る必要があるのかもしれない。と、わたしは思う。


 リリーは、割と上手く馴染んでくれてはいるが、その色欲の強さがやはり異常で、暫くは解消方法をどうするか悩みものであろう。今のところわたしへは迫って来てないので、実際に襲われたらどうなるのか、本当にヒヤヒヤものだ。モナちゃんの事もあるから、流石に御遠慮願いたいものだ。


 因みに。モナにはリリーの服を用意させるよう頼んでいたのだけれど、当の本人が、どういう訳か聖職者の姿は気に入っているから、そのままで大丈夫。との事だった。


 それはコスプレイヤーの淫魔という事だろうか。流石にそれは、聖女へ憧れる閲覧者に対して、それなりに問題なのではないだろうか。




 と、わたしは思う。




おしまい




――――――――



 第2話『魔女裁判で聖女は吊るされる』お読みになって頂きありがとうございました。1話以上に駆け足で進めてしまい、力不足を痛感しております。


 どうしても、ヒロインの2人目は早めに出しておきたくて、この形で落ち着いてしまいました。


 現状、1物語を1万文字程にしておりますが、増やして欲しい等、ご希望等有りましたらお教えください。


 


 ブクマ、評価、含め、引き続き応援の程よろしくお願いします。


――祭囃子

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