悪役令嬢は簡単に伝染する『後語り』⑤
「んっ、あっ……」
「くっくっ、いいぞっ! もっとだ、もっと――! あいつはもうこの世から消えるっ! はぁはぁ、堪らないっ! 何度でも――だっ!」
(モナに見に行ってもらったけど、本当に狂人のようだな。目が危険すぎる……)
(サシャちゃん、殺るんでしょ? 私が殺っても良い?)
(そうだね、生きているのが苦痛で、死にたくなる位には壊しちゃっても良いよ。どっちみちこの件は契約でも無いし、狂った殿下が、これ以上に使い物にならなくなっても、大したことにはならないんじゃない? あ、でもわたしはあんなやつ要らないからね?)
(りょーかーいっ! じゃ、行ってくるねっ♡)
――――――――
後日談
なんとも、締まらない物語だったのだけれど、要はこういう事だ。
公爵令嬢は今まで、悪人と言うのか悪役令嬢とでも言うのか、傍若無人に振る舞い続けてきたのだけれど、どういう訳か神からの掲示でも得たかのように、態度を改めていった。
だけれど、逆に今度は殿下の人格が豹変し、家臣を簡単に切り捨てるは、女を侍らせ、結婚前にも関わらず手当り次第に抱きまくるは、挙句、元婚約者を死罪にまでさせる気でいたのだ。
更にだけれど、新たに婚約者にのし上がった、先程の吐息を漏らしていた男爵令嬢らしいけれど、その女も次第に性格が変わっていき、元々のあの子の様な素振りを見せ始めていたらしい。
悪役令嬢は伝染でもするのだろうか。
結局のところ、サシャは目立った死霊も得られず、『勝手に復讐の代行をし』今回の噂を一応の解決を見せたのだけれど、同じ様な事があっても死霊に繋げるのは中々骨が折れそうだ。と考えていた。
ところで、公爵令嬢との契約についてだけれど、5年間預かる形で、屋敷に置くことにした。元々頭を落とされる予定の子だったのだから、その後は……、生きていれさえすれば、いつかは良い事でもあるだろう。
因みに、モナに玩具にされた殿下と男爵令嬢は翌日発見されたらしい。噂によると、それはまぁ、酷い有様だったとかなんとか。
おしまい
――――――――――
第1話、『公爵令嬢は簡単に婚約破棄される』をご覧になって頂きありがとうございました。④が強引だったかな? と思ってますが、如何せん、小説にまだ不慣れでして……(言い訳)
暫くは、短編サイズのオムニバスで進めようと思ってます。
兎角、ちょくちょくと追放と悪役令嬢も挟みながら連載していきたいと考えております。
今後ともよろしくお願いします。
「評価、ブ、ブクマと評価頂けると励みになります」
――祭囃子
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます