私のラビット君２

１１月１６日（土）

〈陽菜乃視点〉

「・・・・えっ…何？」

帰ってくると玄関のドアノブに

何かがぶら下げてあって

嫌がらせか何かかと思いながら

近づいていくと…

紙袋の中からビニール袋が見えていて

恐る恐る手に取って中を覗くと…

「・・・・あっ…」

中に入っている物を見てクスリと笑い

鍵をあけて部屋の中へと入ると

手に握っていた封筒をテーブルの上に置き

紙袋の中の物を取り出して

「懐かしいなぁ」と呟いてしばらく眺めていた…

ウサギが来たことが分かり

少しだけ胸の奥が苦しくなったけど…

「・・・・去年の今頃は会うたびに泣いてたっけ？笑」

キッチンの方へと顔を向け

ウサギがエプロンをつけて

コロッケを作ってくれているその背中に

顔を預けて泣いていた事を思い出した…

「最後の週は…手を繋いで寝たんだよね…」

立ち上がって部屋を見渡すと部屋の全てに

ウサギとの思い出ができていた…

壁にかかっているカレンダーをめくり

来月の１２月のページを見ると

２８日の日にウサギが書き込んだハートマークと

私へのメッセージがある…

「あのカレンダーのっていつ書いてたの？」

ﾊﾙﾄ「ん？内緒…驚いた？笑」

「・・・・アレ…１２月２３日に見つけたのよ…」

ﾊﾙﾄ「２３日！？カレンダーめくらなかったの？」

「めくりたくなくて…

　 だから２３日の日に見つけた時は…」

ﾊﾙﾄ「怒ったの？笑」

「プレゼントかと思った…

　 はーちゃんからの…クリスマスプレゼント？笑」

私の言葉に「えー！笑」と喜んで

壁にかかってあったカレンダーを手にとって

何かを書きながら「１２月まで見ないでね？笑」と

楽しそうに笑っていた…

《今年の１２月は１日からずっと一緒に過ごそうね》

「去年は１日から別れてたからね…」

そう言ってカレンダーを１１月に戻すと

ウサギが届けてくれた物を持ってキッチンへと行き

久しぶりにルッコラの入ったパスタを作った

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