5月4日(土)

〈ハルト視点〉








セイ「なんかあったのか?」





個室の客が帰り片付けをしていると

成泉が入って来て掘り炬燵の中に落ちている

食べかすを拾いながら聞いてきた






ハルト「・・・・お前がさ…いや何でもない…」






セイ「なに?笑」






ハルト「いや…GWバイトばっかだなって」






セイ「確かに何処にも行けてねーなー

  夏になったら皆んなで遊びに行こうぜ」






ハルト「・・・・うん…そーだな…」






成泉の話は聞いていて理解していたが

半分以上は数時間前に喧嘩をした

ヒナの事を考えていた…





( ・・・・二人っきりなんて… )





夜に中々会えないから昨日のバイト後から

ヒナの所へ行き今日の出勤前まで一緒に過ごしていると…





「・・桜だ……もしもし?」





一緒に映画を見ていたら

職場の後輩から電話がかかってきて

聞いちゃまずいかなとヒナから離れて

キッチンで新しくコーヒーを煎れなおしていると






「盲腸!?・・えっ…うん…大丈夫だから」






ヒナの声を聞きながら盲腸になったのかなと

考えながら、来週の企業説明会のことを思い出し

あのイケメン男と二人で行くのかと思い

電話を切ったヒナに確認をした






ハルト「後輩の人盲腸なの??」






「うん…1週間入院みたい」






ハルト「説明会は??」






「無理ね…二人でなんとかなるかな…」






ヒナは「アレは大丈夫かな…」と

ぶつぶつと言いながらスマホを触っていて

俺の不安が全く分かってなかった…






ハルト「ヒナッ!!」





「・!?・・・なに??」





ハルト「アイツと二人っきりで行くの??」





「・・へ?」





ハルト「あのドロのキーホルダーの男!」





「そうだけど… 仕事で行くのよ?」





ハルト「でも二人っきりで泊まりなんでしょ?」

 





俺の言葉にヒナが小さくタメ息を吐き

俺に呆れているのが分かったけどそれでも嫌だった…






ハルト「他の人は行かないの?」





「はーちゃん…仕事で行くの!

  蒼司君と私はただの先輩と後輩で同僚よ?」





ハルト「でも…ダメだよ二人っきりなんて!」





「はーちゃんのバイト仲間の子と同じよ!

  二人でいても何もないし何もおきないから」





ハルト「俺は二人っきりで泊まったりしないよ!」






ヒナは「仕事なの!」と言って

スマホで誰かに電話しだして

「お疲れ様です」と聞こえてくる男の声にムッとして

俺は何も言わずに部屋から出てきていた…





スマホを何度見てもヒナからの連絡はなく…

多分怒っているんだ…






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