4月8日(月)

〈陽菜乃視点〉








いつもより30分早く出勤して

昨日のお昼にバイト前のウサギに付き合ってもらって

買って来たロボットのキーホルダーを

蒼司君のデスクの引き出しの中に入れておいた






皆んなが出社してくるまで時間もあるから

コーヒーを煎れに行きそのまま横に備え付けてある

椅子に腰を降ろしてネットニュースを見ていると…







ソウジ「人の引き出し開けるのはマナー違反ですよ」






急に聞こえてきた蒼司君の声に驚き

持っていたコーヒーがスカートに少しかかってしまった…





「あっ…」





ソウジ「たく…先輩はよく服を汚しますね」





コーヒー横に置かれた紙ナプキンを数枚掴んで

コッチに差し出してくれているのを

「ありがとう」と小さくお礼を言って受け取り

スカートについた水分を拭き取った






( 黒いスカートで良かった… )







ソウジ「コレ…よく分かりましたね?」






蒼司君の手には私がさっき引き出しに入れておいた

キーホルダーがあり、蒼司君の言葉を聞くと

そのロボットで合っていたんだと思い安心した






「えっと…ドロだったけ?

  人に教えてもらったんだけど合ってたなら良かった」






ソウジ「人って彼氏ですか?」






「あっ…うん…」







蒼司君とこんな会話をしている事が変に感じ

誰かに見られていないかとソワソワとした…







ソウジ「へー…彼氏カンタム好きなんですか?」






「いや、あの子は…エブだっけ…そっちの方」






ソウジ「・・・・あの子??」







しまったと思いパッと立ち上がって

「金曜日は本当にごめんね」と謝ると

早足でフロアの方へと戻って行った







( ・・・・あれ位じゃバレないわよね… )








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