4月11日(木)

〈陽菜乃視点〉









「えっ…私達と蒼司君でですか?」






課「そうだ!去年はお前たち2人でしてもらったが…

  今年は勉強の為に蒼司も連れて行ってやれ」






ソウジ「宜しくお願いします」






「・・・・宜しく…」






5月にある学生に向けての企業説明会に

蒼司君も連れて行ってやれと課長から言われ

私も嫌だけど…チラッと横の桜を見ると

桜の顔もにっこり笑ったまま固まっている…






「じゃー蒼司君コッチの席に来てもらってもいいかな?」






ソウジ「はい!」






既に途中までできかけていた

資料を見せながら去年の説教会の映像や写真を

見せて流れを説明した







ソウジ「あの…失礼承知でいいますが

  この説明じゃ誰もこの会社に入りたいなんて

   思わないと思います!」






サクラ「・・・・はい?」






ソウジ「聞いてもピンときませんし

   志望理由も特にありませんから

   第3〜4希望って感じになりそうです」





「・・・・第3〜4希望…」





ソウジ「はい!滑り止めとか保険みたいな感じです」





サクラ「新入社員のアンタに何が分かるのよ!」






私も頭が回らないで固まっていたけど

桜が怒って立ち上がるのを見て

「さくら!」と抑えるように腕を掴んだ






ソウジ「新入社員の僕だからこその意見です

   実際去年まで学生でしたから」






桜と蒼司君の声はフロア全体に響いていて

課長も驚いて「なんだ、なんだ!?」と

駆け寄ってきてしまった…





説明会は来月で他の仕事もあるから

一から資料を作り直す時間はなく…

どうしようかと頭をかかえた…








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