〈ハルト視点〉









夕飯を食べてから家に帰ると

庭に兄ちゃんの車が停まっていて驚いた…






ハルト「えっ??」






家に入るとじーちゃん達の楽しいそうな笑い声が

玄関にまで響いていて「ただいま」と居間に

顔を覗かせるとじーちゃんと兄ちゃんが

ビールを飲んで騒いでいた






祖母「お帰り、陽兎も少し食べるかい?」






ばーちゃんの手におつまみ用に作られた

イカの煮付けが山盛りに皿につがれていて

「食べるよ」と言って戸棚からグラスを取って

兄ちゃんの横に腰を降ろすと

「早いお帰りだな」とニヤニヤと酔っているのか

機嫌良くしている兄ちゃんに「どうしたの?」ときいた








タツヤ「コッチで土曜日に友達の結婚式があるんだよ

  朝早いから前日は有給使ってゆっくり来よう

  かと思ったんだけど…

  可愛い弟の事を思い出して

  仕事終わらせて速攻で来てやったら

  弟は遊びに行ってていませんでしたってわけ!笑」






ハルト「・・・・言ってよ…」






酔った兄ちゃんがヒナの事をポロッと

じーちゃん達の前で言うんじゃないかと

ヒヤヒヤしていると…






タツヤ「あっ!教習所通うらしいな?笑」






ハルト「そうそう!!じーちゃんコレ!」







兄ちゃんの言葉であるものを思い出し

バックの中から取り出して「ハイ」と

じーちゃんに差し出した






タツヤ「なんだ……ブッ!笑 お前コレ!!」






俺がじーちゃんに渡した紙を見て

兄ちゃんもじーちゃんも何故か笑い出した







タツヤ「借用書って!!笑」






祖父「ははは…笑

    分かった、サインをしよう!」








そう…俺がじーちゃんに差し出しのは

教習所代の足りない分を借りた分の借用書だった…





月曜日の夜にじーちゃんに相談をしたら

笑っていいよと言ってくれて入校の手続きをしたけど

さっきヒナにその話をしたら

「借用書は書いたの?」と言われ…






「お金を借りるって事はこうゆう事なのよ!

  ほら、毎月いくらづつ返金するの?」





ヒナの家で教えてもらいながら作ったんだけど…

目の前のじーちゃん達を見ていたら

なんか変なのかなと思った…







祖父「最近の陽兎はいいだろ、龍也?笑」






タツヤ「腹がいてぇー!笑」






ハルト「・・・・・・」








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