〈タツヤ視点〉










タツヤ「陽兎が教習所?」





祖父「あぁ…春休みに通いたいらしい」







俺の予想は当たり

陽兎は免許を欲しがっているらしい…

言った事を守って祝い金にも

手をつけてないみたいだし…






( 白玉とも上手くいってるみたいだな… )







今日早めに来た理由は

教習所代が足りない陽兎に貸してやると

言おうかと思って来たんだが…

既にじーちゃんから借りる話をつけていて

弟の行動力に少し驚いていた







祖父「今回は赤点もなかったみたいだぞ?笑」






タツヤ「あの陽兎がね…笑」






祖父「試験中も毎日帰って来て勉強してたしたな…なぁ?笑」







キッチンにいるばーちゃんに

笑いながら声をかけているじーちゃんを見て

今までのテストの時は全く家で勉強なんかしないで

遊び歩いていたんだろうなと思った






お袋が今回は陽兎から

再試代の請求の連絡がきていないと言っていて

白玉に甘えて教えてもらったのかと思っていたが

どうやらあの白玉は突き離して勉強をさせたらしい






( 甘いばっかじゃねーってわけか…笑 )







多分、白玉の所に行っていた陽兎が

意外にも早く帰ってきたから驚いていると

「コレ」とじーちゃんに差し出した紙を見て

俺もじーちゃんも吹き出した…






タツヤ「借用書って!!笑」






白玉が書かせたであろう借用書を見て

笑い転げていると陽兎は

目をパチパチとさせ何で笑われているのかが

全く分かってないようだった






祖父「最近の陽兎はいいだろ、龍也?笑」







じーちゃんの言葉に「そうだな」と頷いて

イカの煮物に手を伸ばしながら

陽兎の方を見て「大人になったな」と笑った






間違いなくいつか白玉は

俺やじーちゃんに会う日がくるだろう…





そして…

じーちゃんもきっとそれを分かっている…






祖父「会えるのは…二年後かな…」






陽兎が帰ってくる少し前に

アイツが変わった話をしながらじーちゃんは

ビールグラスを口に当ててそう小さく呟いた…





白玉がちょっと年上でない事には

もう気づいているんだろう…








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