2月3日(日)

〈陽菜乃視点〉








「・・・・・・」







目を開けて壁しか見えない視界に

(ウサギは?)と考えながら瞬きをし

今週はウサギが来ていない事を思い出した






毛布の中を覗くと当たり前に見える

部屋着が何だか寂しく感じ

シングルサイズのベッドも広く感じる…







「・・・・結果いつでるんだっけ…」






赤点一つでもあればお泊まり禁止と言った事を

少し後悔していると枕下から鈍い音が響き

手を差し込んで取り出すとウサギからの着信だった







ハルト「あれ起きてるの?笑」






「寝てると思ってかけてきたの?」







ウサギの声は寝起きのかすれ声ではなく

今起きたわけではないんだと分かり

「いつ起きたの?」と問いかけた







ハルト「3時位からかな?」






「・・・・夜中の?」






ハルト「そう!笑 無音の方が集中できるんだよ!」






「・・・・・・」







いつもならまだ隣で眠っているウサギが

電話の向こうで話している事が寂しく感じてきた…







ハルト「ヒナ?まだ眠い?笑」






「・・・・とらないでよ…」






ハルト「ん??」






「・・・・一人だと…寒いから…」






ハルト「・・・・・・」






「赤点…取らないでよ…?」








〝寂しい〟と言えず〝寒い〟からと言う

こんな天邪鬼な自分がいる事も初めて知ったけど…




9個も下のウサギにそんな可愛くない事を言う私を

何故かウサギは「甘えん坊なヒナなの?」と

嬉しそうな声で問いかけてきた…






( 来週は隣にいてほしいから… )








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