2月1日(金)

〈陽菜乃視点〉









サクラ「先輩?」







桜の言葉にハッとして

「どうしたの?」と横に顔を向けると







サクラ「コッチの台詞ですよ?

  ずっと時計ばかり見てどうしたんですか?」






「・・・・何時かなって…」






サクラ「まだ会社始まって2時間も経ってないですよ?笑」







そうまだ…10時を過ぎたばかりで…

お昼の時間を気にするには早すぎる時間だった…






( ・・・・まだ1教科目ね… )






今日から後期試験のウサギの事を考え

ちゃんと解けているのかと心配しながら

手を動かして仕事を再開した






「ふぅー…」





お昼を知らせる合図が鳴りキーボードから

手を離して椅子の背もたれに体重を乗せると

ポケットの中のスマホが震え

ウサギからかなとスマホを取り出してみた






【 約束守ってよね! 】






タメ息を吐きながらスマホをポケットに入れると

財布を持ち「行こうか」と隣の席の桜に

向かって言い一緒にランチを食べに出た






サクラ「先輩はバレンタインどうするんです?」

 





蕎麦を食べながら桜が問いかけてきて

「バレンタインねぇ…」と自分の目の前の

ゴボ天うどんを見ながら呟いた…







サクラ「買うんですか??手作りですか??」






「・・・・うーん…」







年明けに去年のドタキャンの分の

埋め合わせランチをご馳走してもらった時に

桜には年下の彼氏ができたとだけ話していた…







サクラ「年下なら…手作りですか?」



 



「・・・・桜はどうするの?」






サクラ「え!もちろん作りますよ!笑」







桜はあの元カレと年末に寄りを戻して

また幸せそうに付き合いだしていた

「何にしようか迷ってて」とハニカム笑顔が可愛いく

コッチまで笑ってしまっている





またポケットのスマホが震えたけれど

気づかないフリをして桜と話しながら

うどんを食べ会社に戻った







( 約束なんてしてないわよ… )






夜家に帰り着き明日は休みだしと

晩酌のお供になりそうな市販の素を使って

パッと作れるアヒージョを作り

買ってきた食パンを小分けにカットしてから

トースターでカリカリに焼いた







「明日はウサギも来ないしワインでも飲もうかな」







スーパーで買った地方ワイン取り出して

「美味しいのかな」とグラスと一緒に

テーブルに置くとスマホのバイブが鳴り出し

ウサギからの電話かなとタメ息を吐いてからでた








ハルト「・・・・なんで一日中無視なの?」







「あんなやりとり会社でできるわけないでしょ…

  それよりも試験はどうだったの?できたの?」







ハルト「それよりもって…

  何の為に頑張ってると思ってるわけ…」







「・・・・自分の為に頑張りなさいよ…」







ハルト「ある意味自分の為だよ?笑」







ウサギの言葉に呆れながら

「エロウサギなんだから」と呟き

トースターから焼けたパンを取り出すと

キッチンにいるのが分かったのか

「夕飯なに?」と聞いてくるウサギに

「簡単なのよ」と説明すると…







ハルト「俺も一緒に食べたかった… 」






「切って混ぜるだけだから

  そんなにいい物でもないわよ?」






ハルト「・・・・ご飯じゃなくて…

    一緒に…いたいんだよ…バカヒナ…」







洗い物を減らしたく

アヒージョを鍋のままテーブルに置くと

聞こえてきたウサギの可愛い呟きに

「ふふ…笑」と笑いが出た







「試験が終わったら会えるじゃない」






ハルト「・・・・毎日会いたいんだよ…」






「ハイハイ…勉強頑張りなさいよ」






ハルト「・・・・バカヒナ…」







ウサギのバカヒナにもすっかり慣れてしまい

「ハイハイ」とながす私に余計に怒り出し






ハルト「絶対に電気消さないからね!!」






「・・・・・・」






ハルト「ヒナ返事!」







絶対に返事なんてしないわよと思いながら

カリカリの食パンにアヒージョを乗せて食べた








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