1月7日

〈陽菜乃視点〉









今日からまた始まる一週間に

ヤダなと感じながら髪をセットして

伸びた前髪を横に流しそろそろ

美容室に行こうかなと思っていると

ウサギからの着信バイブが鳴った






ハルト「おはよう…」






「まだ夢の中ね?笑」






ハルト「ん…ヒナお仕事でしょ?」






春休みだしまだ寝ててもいいのにと思うけれど

11月のように朝電話をくれるウサギの優しさが

素直に嬉しくもあった







ハルト「ヒナ…浮気も余所見もダメだからね…」





「ハイハイ…」






美容室に行こうと思った直ぐの電話で

コレを言われてドキリとしたけど

やましい事も無いしいいのよと

顔を横に振って気にするのをやめた






ハルト「・・・・美容室も…俺が帰るまでダメだよ?」





「え??」





ハルト「ダメ!!美容室行った日は俺と会うの!!」






好きにしてくださいの寝言をまだ根に持っている

ウサギにタメ息吐きながら「ハイハイ」と言った






ハルト「ヒナはボケボケしてるから直ぐに

  変な奴につけこまれちゃうんだから…」






「ボケボケってなによ… 」






ハルト「ん?笑 そうゆう所かな?笑」






ウサギのケタケタと聞こえる笑い声に

「生意気なんだから」と言うと






ハルト「今日は真っ直ぐ帰って七草粥食べてよ?」





「七草粥なんてよく知ってたわね?」





ハルト「スーパーに並んでるからね…笑」






スーパーに数日前からセットが売られていた事を

思い出しそれを見たんだと分かり

なるほどと納得した






ハルト「来年はヒナが作ってくれる?」





「ハイハイ」





ハルト「再来年も?」





「ハイハイ」






時計に目を向けてそろそろ出ないとと

コートを着ながら返事をしていると






ハルト「・・・・明明後年も?」





「みょう何??」






初めて聞いた言葉に「え?」と聞き直すと

ウサギは笑っていて「いつか教えてあげる」と

答えを教えてくれないまま「行ってらっしゃい」

と電話は切られてしまった






「何なのよ…もう… 」






時計を見て「ヤバイ」と呟いてから

荷物を持ってから駅まで走った…








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