第13話 真祖の子
「なるほど、話はこれまでのようだね。よし、お前らコイツを楽にしてやれ」
「はっ、承知しました!」
壁に手足を鎖で拘束されていたびしょ濡れの男は、やっと死ぬ事ができると安堵した。
「やっとだ、長かった何日いや、何年かかったは分からないがやっと楽になれる、、、」
そんなことを言いたげな表情でドロォ....と血が滴ると同時に首が落ちる。
楽にしろと命令した男は、感情の見えない瞳を落ちた首へ向けより一層不幸を見るような顔をして部下へ向き直りこう続けた。
「そろそろ5年経つな.....情報も多く集まった。今回の遠征はこれを以て終了し帰還する。支度を始めろ」
「「はっ、承知しました。」」
男は目に喜びを浮かべ深呼吸して空を見に暗い地下から出ていった。
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「それにしても、頭を潰したと思ったらまた湧いてきやがる....どうなってんだ」
「若、朝には準備が終わる予定です」
「そうか、なら昼に出る。そう伝えておけ」
「分かりました、よく休むよう伝えておきますね」
そう言って建物に入っていく。
「お、戻ったのかい坊ちゃん。大変だね~真祖の息子は」
黒い角を生やした青年がそう話しかける。
「尋問した後にあんたの相手をする私の身にもなってほしいですね。それとあんたも真祖でしょうが!父上に会いたいならなんで私のとこに、毎度来やがるんですかねあんたは!」
羽織っていたマントを投げ捨てながら吐き捨てる。
角の青年はにっこり笑って、いかにも嬉しそうに答える。
「その怒り顔が面白いからよ。俺さんはオベ坊と一緒で時間に追われてないし暇つぶしが必要なのよ」
「良い歳したおっさんが何言ってるのか私には理解できないですね。寝るので邪魔だけはしないでくださいね!ってかすんな!」
そう言って自室に戻る。
「父上、母上、今回はよい成果を報告できそうです。」
一行は翌日ヘルミナの屋敷に帰還した。
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