第11話 イチャつくのはお預け♡

カツカツと乱れの無い単調な足音はもうすぐ後ろまで来ていた。


「お疲れ様です。あなた....また血を使ったんでしょう?」


「何で君がここにいるんだ。ルーシー」


館で事務処理をしていたはずの妻がそこにいる。


「私は貴方の妻ですから、いつでもそばに居るんです!」


「そうか、今日は疲れた。帰ろう。こいつの墓には月桂樹の花を、トラキア卿の墓にはサンダーソニアを送ろう」


ルーシーは頷くとこう言った


「あなたは本当に誰にでも優しいんですから」


そう言って頬を膨らませていた。


「やぁミナ後始末は任せてくれ、うちの種族がやった事だ」


「てっきりオベロンが来るものと思っていたが、イオが来たのか。」


「オベ公は、今頃寝てるよ....面倒なことは全部ティタとあたしに押し付けるんだから」


そう愚痴を零しつつやってきた小妖精の長であるイオランテは、俺の肩に乗り術式を起動する。


「あたしが送ってあげるよミナ!あたし達が片付けはしとくから、帰ったらルーちゃんとイチャイチャして寝な〜魔力の余波感じた途端に飛び出したんだぞ」


「言わないでって言ったのになんで言っちゃうんですか!恥ずかしいじゃないですか!」


イオはからかうように笑いながら言った。ルーシーは顔が真っ赤だった。


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「..ミナぁ....ヘルミナってばーどうしたの?ぼーっとしてもしかして前回のこと思い出してたの?」


「あぁ、あれは聞いててというか見ていて気持ちのいいもんじゃ無かったと思ってな」


「恐れながら真祖よ、発言をお許し願いたい。私は、ヘルミナ様の行いは間違ったものでは無いと考えます。あのまま楽園が暴走したら私たちまで動かなければ行けませんでしたから。被害が最小で済んだのは紛れもなく貴方が指揮を執ったからに他なりませんよ」


「いや、別に間違ったとは思ったことも無いが少し思うところがあっただけだ。楽園の名前を復活させる必要はあったのか、新世代と呼ばれるようになった彼らは何のために俺らに寄せた形で組織をしたのか最悪の場合はまた真祖として俺が処理する。」


円卓会議で話をもちかける必要はあるだろうが懸念すべきは国家転覆を図った楽園の末期を継ぐものかどうかが最重要だ。

帰ったらこちらでも調べなければいけない最重要案件だ。


「時間も時間だ。俺はそろそろ帰るとする。それではな、ディック。それにマールこちらでも情報は集める共有は頼んだ、こちらも何かあれば連絡する。」


「うん、分かったよミナちゃーん♡また来る時は女装してきてね〜」


「二度とお前の前で女装なんかしてやるか

俺は帰ってルーシーとイチャイチャするのだ。じゃあな」


「まったね〜次は円卓会議で〜」


13師団を後にし、自分の師団本部へと急ぎ馬車を飛ばした。

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