林檎の話

真っ赤な林檎がひとつ、台所に置いてあった。まだ旬は少し遠い。どうしたのかと母親に聞こうと思ったが、買い物へ出かけたようだ。随分立派だと触ってみると、少しベタベタしている気がする。ある童話が頭をよぎる。

まさか、ね。

軽く洗い流してから包丁を入れる。中には小さな女の子が眠っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

140cmの星々 すがら @hoshi__yomi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ