ベートーベン ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「大ソナタ悲愴」 第二楽章
第2楽章 Adagio cantabile
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束の間訪れた
安らぎの時
柔らかな光が湖面を照らし
やさしい風が草花を揺らす
おやすみなさい
今だけは
気まぐれな女神が微笑み
私の髪をそっと撫でる
嵐のような試練が
まるで全て夢であったかのように
穏やかに過ぎる時
けれど試練は
この先も続くだろう
この先に待ち受ける試練を思い
強張る私の頬に
女神の甘美な口づけが落ちる
おやすみなさい
今だけは
何もかもを忘れて
試練に打ち勝たんと
立ち向かう人を
神は必ず見ています
私の中の情熱も
今だけは
弾むように体の中で踊るだけ
今は
今だけは
この幸福な凪に
身も心も全てを委ねて
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はい。
「悲愴」第二楽章でございます。
第一楽章とは打って変わって、本当に穏やかでゆったりした感じです。
「悲愴」感は、ほぼ無いですね(笑)
「月光」の時も思ったのですけど、第二楽章って穏やか/明るいパートなのかな。
そんな視点で考えた事は今までなかったのですけど……(・_・;)
(なんせピアノを習っていた頃は、ちゃんと真面目に向き合ってなんていなかったもので)
この曲を聴いてわたしの中に真っ先に思い浮かんだ情景は、森の中の湖。
木々の間から木漏れ日が差し込んでいて、その木漏れ日が、微かに吹いている風で少し波だった湖面に乱反射して、全体的に淡く光って見えるような、とても美しい湖です。
そしてその湖の畔で、第一楽章で登場した青年ときまぐれ女神が、共に束の間の休息を取っている。
イメージとしては、女神の膝枕で青年がうたた寝をしている、という感じでしょうか。
青年はおそらく、最初の試練を無事に乗り越えたのです。女神を味方につけて。
でも、疲れ果ててしまった。
そんな青年を癒してあげようと、女神が青年を湖へと誘ったのでしょう。
いわば、頑張った青年へのご褒美、ですね。
そして、これからも続くであろう試練に、どうか青年が打ち勝てるようにと。
そんな願いも込められているような気がします。
女神と言えど、あまり手助けばかりはできないもどかしさもある。
けれども、青年にはなんとか、神から与えられた試練を乗り越えて欲しい。
もしかしたら、きまぐれ女神はこの青年に恋をしてしまったのかもしれません。
なんちゃって。
曲の中盤~終盤にかけて、少し、曲調が弾んでいるんですよね。
それは、青年の中で踊り続ける情熱なのかな、って思いました。
束の間の休息の間も、青年の中の情熱は消える事は無いと。
きっと、青年の中の情熱は、この先いついかなる事があろうとも、消える事なんて無いのだろうな。
やっぱりこの青年は、ベートーベンなんじゃないかなって思います(´ω`*)
すると、女神というのは誰なのでしょうかね?
女神のように美しい、ベートーベンが恋したお相手、なのかな。
(まぁ、いずれもわたしの勝手な妄想なのですけど)
さて。
この第二楽章は、当たり前ですが、第三楽章へと続きます。
実はこの二楽章の情景は、三楽章まで聴き終えてイメージをしてから、もう一度構築し直しました。
(真っ先に思い浮かんだ森の湖、という設定は変わりませんでしたけれども)
青年と女神の関係は、第三楽章では変わります。
どのように変わるのか。
第三楽章までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
という訳で、続きまして第三楽章です。
2024.10.27
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