ベートーベン ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「大ソナタ悲愴」 第一楽章

 第1楽章 Grave - Allegro di molto e con brio



 **********


 神は時として

 人に試練を与えるという

 その試練は

 必ず乗り越えうる試練だとか

 情熱が

 私の中に滾るこの情熱が

 消えうせる事さえなければ


 幾度も幾度も

 波のように襲い来る苦難

 気づけば私の周りには誰もいない

 だが私は負けない

 必ず打ち勝ってみせる


 気まぐれな女神

 私を揶揄うかのように

 歌い舞い踊り

 私を誘う


 その美しさ 煌びやかさに

 私は目を奪われ

 心までも奪われ


 消えかかった情熱

 我に返った私の前には

 行く手を阻まんと

 尚も立ちはだかり続ける試練


 ひとり

 私はひとり

 暗闇の中

 静寂の中の

 孤独


 それでも諦める気は無い

 私の中に滾る情熱が

 私自身を突き動かす


 暗闇の中で舞い踊る女神

 艶やかに笑い私を誘う

 今こそ女神を味方に

 この試練を乗り越える時


 私は誓う

 私自身に

 私の中の情熱に


 神の与えたもうたこの試練を

 必ず乗り越えてみせると


 **********


 1年以上ぶりでございます(^^;)

 カクヨムさんのキャンペーン『【10/25~11/28】カクヨム秋の連載再開キャンペーン開催!』(2024年)に乗っかり、こちらを更新してみました♪


 忘れていた訳ではないのですよ⁉

 ちょっと、体調の都合で、音楽にどっぷり溺れる事が難しかったので……(>_<)


 久しぶりの更新なんで


 あれ? 何をどうやって書いてたんだっけ?


 というところから始まりました(爆)

 これは「思い浮かんだ情景を『詩』のような形で言葉で表現してみよう。という、試み企画です(*^-^*)」

 だったんですねぇ……あはは。自分ですっかり忘れてやんの。


 と、前置きはさておき。


 久しぶりの曲、何にしようかなとだいぶ悩んだのですけど。

 自分で演奏した事のある曲の方がイメージが掴みやすいかなと、この曲にしました。


【第一楽章】とあるとおり、この「悲愴」は第一楽章~第三楽章まであります。

 わたしは第三楽章が一番好きです♪


 あまり余計な知識は入れない方がいいかな、とは思ったのですが、余りに久しぶりだったので、今回はちょっと調べてから取り掛かりまして。


 まず、曲名について。

「悲愴」という曲名はついているものの、この曲名はベートーベン自身が付けたものではないそうです。

 ちなみに、この「気まぐれ 言の葉 -音楽編-」で既に取り上げている「月光」も、ベートーベン自身が付けた曲名ではないんですって。(初めて知った……)

 でも、イメージバッチリですよね。曲目付けたひと、センスいいなって思います。


 そして、作曲の背景(?)。

 この「悲愴」を作曲していた時期、ちょうどベートーヴェンが耳の異変を感じ始めた時期と重なるそうです。



 という事前調べをしてから聴き直したので、余計に「試練」というワードがわたしの中に生まれてしまったのかな、って思いました。



 で。

 わたしの中に思い浮かんだ情景なのですが。


 試練にぶちあたった青年の姿。


 です。


 でもこの青年の中には、消える事のない情熱があって(曲の中にほぼほぼ流れている、低音の旋律が、青年の情熱を表現しているように思いました)。

 その青年を、気まぐれ女神様が、応援しているのだか揶揄っているのだか、時々現れるのですね。

(中盤の、弾むような明るいメロディが、気まぐれ女神様のイメージです)

 途中途中で挟まれる、静かで物悲しいメロディは、青年の孤独を際立たせつつも。

 最後は力強く終わる!


 わたしは思いました。

 これはベートーベンの姿なんじゃないかって。

 彼は途中で耳が聴こえなくはなりましたけれども、全く諦めていなかったし、その情熱も消える事は無かった。

 そんな彼の姿が、この曲に凝縮されているような気がしました。


 ……そう考えると、「悲愴」って曲名、ちょっと合わないかも?(笑)


 有名な曲なので、耳にした事がある方も多いと思いますが、試練を与えられたベートーベンの姿を思い浮かべながら聴くとまた、違った感じで聴こえるかもしれません。

 よろしければ、是非♪


 次は、第二楽章です!


 2024.10.27

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