カルメン組曲 第一組曲より トレアドール
一瞬の間の後
軽快な2拍子のリズムを刻み
一際大きく鳴り響くシンバルの音と共に
歌い始める楽器たち
さながらそれは
入場の時を今か今かと待ちわびる
血気盛んな
時折 正確にテンポを刻むティンパニの
合いの手のように入るシンバルの音が
いやが上にも 曲のボルテージを高めてゆく
相対するは
我らが自慢の
金刺繡の施された 煌びやかな衣装に身を包み
颯爽と
優雅な仕草で 場内を埋め尽くす観客へと一礼し
余裕の笑みで 入場を待つ雄牛を待ち受ける
次第に大きくなるトライアングルの音が
徐々に緊張を高めゆく
さぁ
雄牛が放たれた
カポーテを翻し 軽々と雄牛を翻弄する闘牛士
興奮した雄牛は 鼻息荒く 目を血走らせ
シンバルの音とともに 闘牛士へと突進を繰り返す
微笑みを浮かべてその様子を眺める
麗しの姫君
今まさに 雄牛との戦いを繰り広げている
闘牛士にご執心
熱い眼差しを闘牛士へと送り
艶やかに響く弦楽器の歌声は
姫君がまるで戦の女神のごとく
彼の人の勝利を確信しているよう
闘牛場では
闘牛士が雄牛との決着の時を迎え
打ちならされるティンパニ シンバル トライアングルの音の中
ムレータに隠されていた
襲い来る雄牛に 深々と突き刺す
鳴りやまぬ
観客からのスタンディングオベーション
絶命した雄牛の傍らで
観客に向かって優雅に一礼する闘牛士
麗しの姫君は闘牛士に向けて
興奮の面持ちで呟いた
Olé
***************
はい。
またもお久しぶりになりました(^^;
ここは、こんな感じでのんびりと続けて行こうと思っています。
さて。
こちらも多くの方が一度は耳にしたことがあると思われる、ビゼー作曲の曲。
「カルメン組曲 第一組曲より 闘牛士(トレアドール)」です。
初っ端からシンバルの音が響き渡る曲って、そう言えば珍しいかなって思いました。
でもだからこそ余計に、この曲って、いきなりワクワクしてしまうのですよね。
途中にとても優雅なメロディラインも組み込まれているから、飽きも来ないですし。
タイトルが『闘牛士』なので、これはもう『闘牛』の場面を想像すべきでしょう!
そう思って、思い浮かべた闘牛の場面を、音楽に乗せるようにして綴ってみました。
※『カポーテ』とは、最初の場面で闘牛士が用いるケープ状の布。
※『ムレータ』とは、闘牛の最後の場面で闘牛士が使う、赤いフランネル製の布とそれを支える棒のこと。
何故いまこの曲を選択したかと言えば・・・・
現在絶賛放送中の『リバーサルオーケストラ』の中で演奏されていた曲だからです。
ドラマの中で演奏されていたこの曲を聴いた時、ずーっと皮膚が粟立っていたのです。
素敵~っ!
って。
ウットリと聴き入ってしまいました。
やはり、オーケストラって、いいですよねぇ・・・・
そんな訳でして。
もしよろしければ、皆様もこの曲を聴きながら、闘牛シーンを思い浮かべてみていただけたらなぁと思います。
(調べたところ、通常の闘牛というものは3人1組で行う事が多いみたいですけどね)
元気になれる曲だと思いますよ♪
2023.2.26
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます