エリーゼのために

最初からね

叶わぬ想いだと分かっていたよ

三連符の低音のわたしの呼びかけに

悲し気な三連符の高音で応えるあなた

それでもわたしたちの奏でる音は

途切れることなく美しい旋律を響かせて

心の慰めとなっていたんだ


時に切なく 時に甘く


わたしはいつも夢見ていた

いつかあなたと青空のもと

心地の良い風の吹き抜ける

草原の中でふたりきり

愛をかわすことができたならと

誰にも何にも 縛られることなく

心の中を解き放って


けれど現実が

わたしたちを許してくれることはないだろう

わたしたちが奏でる美しい旋律に

残された時間は あと僅か


あなたを想うわたしの心と

わたしを想うあなたの心は

いずれ遠くへ引き離される


だからね


せめてわたしはこの美しい旋律を

あなたと奏でたいくつもの旋律を

楽譜に残しておこうと思う


哀しみの涙を流しながら

遠く連れられて行くあたなたへの

せめてもの心の支えになるように

わたしたちの奏でた旋律が

どうか少しでも

あなたの心を癒してくれるようにと

切に切に 願いながら




***************

・・・・・またもめっちゃ久し振りになってしまいました・・・・

忘れていた訳では、ない・・・・多分・・・・


さて。

多くの方がご存じだと思われる、ベートーヴェン作曲のこの曲。

「エリーゼのために」です。

どうやら、ベートーヴェン初心者が弾くことが多い曲らしいですね。

わたしももちろん、弾いた事はありますが・・・・当時の印象は記憶にございません(笑)。

ただの課題曲、程度の認識だったので。


さてこの曲。

今じっくり聴いてみると・・・・


めっちゃ、いい曲じゃんっ!(≧▽≦)


となり、今回の題材としたのですが(ほんとは別の曲にしようと思ってたのです~)

短い中にも、歓びと哀しみが凝縮されているし、それでいて構成がとてもシンプル。

さすが天才、ベートーヴェン!

と思いました。


この曲。

彼の死後に発見された、未発表の曲だったのですって。

【エリーゼ】さんがどなたかはまだ確定していない?らしいですけどね。

でも。

情熱的な曲を多く創られているベートーヴェン。

おそらく、この【エリーゼ】さんに想いを寄せていたのではないかと。

それも、決して叶う事のない想いを寄せていたのではないかと。

わたしなどは思ってしまいますね。


よろしければ皆様も。

今一度、叶わぬ想いが込められた曲だと想定して、この曲をお聴きになってみてはいかがでしょう?

胸がね。

キュッて。

切なくなると思いますよ・・・・

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